この国はどこへ行こうとしているのかインタビュー 千葉紀和毎日新聞 2026/7/8 12:00(最終更新 7/8 12:00) 有料記事 3092文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷岡本厚さん=東京都千代田区で2026年6月18日、和田大典撮影 今日も誰かが誰かをののしっている。政治家や言論人と呼ばれる人々までが憎悪をあおる。功罪半ばのSNS社会で、分断の溝は深まるばかりである。 「対話がどんどん失われていますね。一方通行で相手を罵倒するばかりで……」 静かに切り出したのは岡本厚さん(72)。老舗出版社・岩波書店で戦後日本の論壇を支えてきた総合雑誌「世界」の編集長を16年、社長を8年務めた。「ミスター岩波」ですね、と水を向けると「いやいや、それは吉野源三郎さん(「世界」初代編集長)。僕は前の世代を受け継いだだけ」と苦笑する。 ロングインタビュー企画「この国はどこへ行こうとしているのか」。これまでの記事はこちらで読めます。編集者の原点は沖縄に 自由に活動したいと後進に道を譲り、4年前に「沖縄対話プロジェクト」を始めた。 なぜ沖縄? なぜ対話? 梅雨の晴れ間に東京・練馬の喫茶店で思いを尋ねた。 生まれも育ちも東京だが、編集者としての原点は沖縄にある。学生だった1970年代初め、偶然手にした「米軍と農民」に感銘を受けた。離島の伊江島で米軍に土地を強制収用された農民たちの闘いを記録した本だ。著者は非暴力で抵抗を続け、「沖縄のガンジー」と呼ばれた平和運動家の阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)さん。日本復帰間もない沖縄にその人を訪ね、陰惨な地上戦の痕跡と米軍基地の建設で住民の暮らしが脅かされる不条理を目にした。大学闘争は続いていたが「本当の闘いはここにある。生きる意味を得た気がした」。 沖縄には毎年通い続け、かの一冊の版元に入社した。「世界」編集者として、死者20万人を超す沖縄戦の実相に迫る特集を手がけた。大江健三郎さんの著作を巡る沖縄戦の「集団自決訴訟」で、訴えられた発行元の担当者として闘った。争点は集団自決に軍の命令があったかどうか。教科書の記述にも影響を及ぼす社会問題となったが、最高裁で勝利し、歴史の「修正」を狙う勢力に歯止めをかけた。 そんな沖縄で対話の試みを始めたきっかけは、首相を退いた安倍晋三氏の2021年暮れの発言だ。「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」。論理を飛躍させた決めつけだが、翌年ロシアがウクライナに侵攻したこともあり、波紋が広がった。一方で米軍や自衛隊の基地が集中する沖縄の友人からは「再び捨て石にされそうだ」と憤る声も聞こえてきた。 「『台湾有事』も『沖縄有事』も起こさせないために、できることをしよう」。考えついたのが、立場や世代を超えた対話による相互理…この記事は有料記事です。残り2054文字(全文3092文字)【前の記事】便利なのに息切れする時代を生きるヒント 熊谷晋一郎さんの考え関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>