深掘り2026年9月18日 6時01分有料記事黒田早織警察官向けに供述調書の書き方を示した書籍「供述調書作成実務必携 第2版」。2021年に第1刷が発行され、記者が入手した第2版は24年に発行されている=黒田早織撮影 「元カレに裸の写真をばらまくと脅され、同級生の着替えを盗撮してしまった」という女子高生。警察の取り調べで経緯を繰り返し説明したが、供述調書には書いてもらえなかった。 納得できない思いを抱えたまま、今年6月、家庭裁判所での結論を迎えた。 家裁の判断は「審判不開始」。女子生徒に対しては、審判(裁判)自体を開く必要がないというものだった。記事のポイント・なぜ、供述調書に「自分の言葉を書いてもらえない」事態が起きるのか・供述調書は具体的にどのように作られるのか・欧米などとは異なる、日本独特の特徴とは女子生徒の説明、裁判所は信じた 少年事件に対する家裁の判断は、いくつかの種類がある。国の保護観察官らの指導を受けながら社会での生活を続ける「保護観察」、更生のために施設に収容する「少年院送致」などだ。 今回の「審判不開始」は、意味合いが全く異なる。事件の内容を踏まえれば、保護観察などの処分は必要ない。処分を決めるための「審判」を開くまでもなく、更生できる――。家裁はこう判断したと言える。 女子生徒を取り調べた警察は、盗撮の動機について「元カレに未練があったから盗撮の依頼に応じた」と判断したとみられる。だが、家裁はこの見立てを採用しなかった。 家裁の決定に関わる書類は非公開で、記者は閲覧できない。ただ、女子生徒の付添人としてこれらの書類を確認した岩本輝尚弁護士によると、事件の最大の要因について、家裁は「盗撮に協力しなければ性的な画像をさらすと元交際相手に再三言われ、恐怖や不安に駆られたこと」だと判断した。被害者に謝罪して示談が成立していることなども踏まえ、審判不開始を決めたとみられる。警察が「真実」とみなしたのは 女子生徒は家裁の判断について、記者にこう話した。「本当のことを言っているのに警察は調書に書いてくれず、とても不安だった。裁判所が認めてくれてほっとした」 警察側は朝日新聞の取材に対し、「個別の事件の捜査内容については回答を差し控えます」とコメントした。 なぜこんな事態が起きたのか。岩本弁護士はこう語った。 「警察側は、LINEなどの…【この記事の続きが読める】有料記事が読み放題のスタンダードコースが初回1カ月無料!詳しくはこちら宅配紙面の購読者なら、ダブルコース半年割がお得です。詳しくはこちらこの記事を書いた人黒田早織東京社会部|裁判担当専門・関心分野司法、在日外国人、ジェンダー、精神医療・ケア関連トピック・ジャンル連載これは私の言葉じゃない~供述調書のわな~(全4回)第3回彼氏に無理やり打たれた覚醒剤 逮捕の女性が選んだ「取り調べ拒否」2026年9月19日9時00分 公開予定第4回意に沿わない調書を作るのは「拷問」か 国連が定めた取り調べの基準2026年9月20日9時00分 公開予定この連載の一覧を見るこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ9月18日 (金)第2次高市改造内閣が発足FRB、3年2カ月ぶり利上げ決定アンダーパス規制15カ所追加9月17日 (木)男女平等、日本は117位自民党の新執行部が発足100歳以上、初の10万人超え9月16日 (水)石井準一参院幹事長が交代へ基準地価1.5%上昇消費減税の大綱を閣議決定9月15日 (火)中部電力の社長と会長 辞任へAI開発「遅らせるべきだ」富士山のヘリ救助 有料化へトップニューストップページへ裏金関与議員の初入閣「首相の任命責任問われる」 野党、追及の姿勢6:00「ポスト高市」なぜ林氏だけ閣外に?首相が「冷や飯食い」にした理由19:34カーニー氏、カナダのEU準加盟へ意欲 トランプ氏リスクで両者接近20:45「船が沈没、4人転落」と北朝鮮から通報 救助の3人中1人心肺停止23:40かいけつゾロリ、インドに進出 ポプラ社が現地法人「文化育つ余地」5:00ドジャースが大勝で祝杯 地区5連覇、不振のタッカーを支えた言葉4:41生と死のはざまから見る風景とは 宗教学者の山折哲雄さんに聞く5:00