毎日新聞 2026/7/4 12:00(最終更新 7/4 12:00) 有料記事 4440文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷ライターの藤井誠二さん(左)と古波藏契・東京科学大学准教授=東京都大田区で2026年6月2日、小林努撮影 6月23日で太平洋戦争の沖縄戦「終結」から81年。沖縄には今も広大な米軍基地が残る。 この歴史を背景に、本土の論壇などは沖縄に接する際の「正しい」認識や姿勢を語ってきた。 名護市辺野古での抗議船転覆事故などで反基地運動が揺れる今。沖縄に詳しいノンフィクションライターの藤井誠二さんと、古波藏契・東京科学大准教授がこの「正しさ」の行方を議論した。【構成・鈴木英生】 <この対談の主な内容> ・本土リベラルの「しょく罪史観」 ・「よそ者」が破ったタブー ・平和教育を根本から点検 ・「ジリ貧」の反対運動 藤井さんと古波藏准教授の対談を上下2回にわたって掲載します。(下)「反対運動なんて意味ない」 本土と沖縄、同じ言葉に大きなズレ(5日正午公開予定)本土リベラルの「しょく罪史観」 藤井 長く沖縄に関わるリベラル系を自称・他称する内地(本土)出身のジャーナリストや研究者、社会運動家らの多くは、僕も含めて、故大江健三郎さんの「沖縄ノート」=メモ(1)=に象徴される、いわば「しょく罪史観」が礎にあると思います。 メモ(1) 1970年(本土復帰2年前)刊の沖縄論(岩波新書)。沖縄の人々の本土に対する「怒り」と、その「怒り」を受け止めようとしない本土の人間の一員である自らの「恥」を対置して描く。繰り返し出てくる「このような日本人ではないところの日本人へと自分をかえることはできないか」というフレーズが印象的。 ――本土は沖縄にずっと犠牲を強いてきた。本土の人間である自分は、その罪を償わねばならない、という考え方ですね。 藤井 だから、「ごめんなさい」がお約束のように出る。沖縄の問題はできるだけヤマト(本土)に責任があると帰結させる。 僕もこの史観を血肉化していますが、もっと自由にというかさまざまな沖縄を描きたくて、沖縄の人が触れたがらない話も書いてきました。 売買春街の戦後史、米兵と沖縄の女性との間の子どもへの差別……。背後に米軍が常にある戦後史の一断面です。 ――「恥部を暴く」が目的ではない? 藤井 当然違います。僕を含めた表現者の多くには沖縄で読まれ、受け入れられたいという「強迫観念」のようなものがあると思います。 古波藏 でも、言うべきことは言うし、それで生じる摩擦はやむを得ない、と。 藤井 取材先で、「クサレナイチャー」(腐った本土の人間)なんて冗談っぽく言われたことは何度かあります。 ショックですが、その程度ならば、ある種の「洗礼」に過ぎないと思っています。「やはりヤマトの人間は信用できない」と面と向かって言われたことも。 こういう強いハレーションは、沖縄の人の人生に深刻な影響を与えた事態に関わるほど起きる。あるいは沖縄でタブー視されているようなテーマを深掘りするほど、「ヤマトンチュ(本土の人)にはわからない」と言われてしまう場面にも、まれに直面せざるを得ません。「よそ者」が破ったタブー ――本土への不信感がやはり根底にある。 古波藏 しかし、拒絶されても粘り強く関わり続ける「ナイチャー」は沖縄にとって必要だし、昔からいました。 たとえば、読谷村の集団自決を取材したノンフィクション作家、下嶋哲朗さん。今でこそ集団自決の記憶は沖縄戦の極致として語られますが、1980年代までタブーでした。 集団自決は日本軍の強制という面もありますが、巻き込まれた住民にも自分たちで手を下したという意識がある。 村の平穏のため、皆が口を閉ざしてきた。そこへ下嶋さんがズケズケと切り込み、嫌がられながらも、村が記憶に向き合うきっかけをつくった。 日本復帰前に慶良間諸島を取材した石田郁夫さんは、さらに痛烈でした。 戦後の慶良間は、責任を全て外部者に押し付けることで地元側の戦争協力を隠している、と批判した。地元からすれば「…この記事は有料記事です。残り2871文字(全文4440文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の筆者すべて見る1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>