書道の授業の様子=日本書道ユネスコ登録推進協議会提供 書道関係者にとって、ユネスコ無形文化遺産への登録は「悲願」だった。 運動が本格化するきっかけは、2009年に中国書道が無形文化遺産に登録されたことだった。触発された書家個人の呼びかけから始まり、15年には全国書美術振興会など3団体を発起団体として「日本書道ユネスコ登録推進協議会」が発足した。 協議会委員の長野竹軒・東京学芸大名誉教授(書道教育研究)は「書道界全体の地道な努力が実を結んだ」と振り返る。協議会では展覧会や会派の枠を超えて書道団体に参加を呼びかけ、16年に実施した署名活動では1万4192団体から賛同を得た。 主要団体が歩調を合わせて運動を続ける中、21年には保護と継承に取り組む団体「日本書道文化協会」が設立され、高校への書家派遣や国内外のイベントでの書道体験会の開催などを通じて、書道文化を広めてきた。同年、国の登録無形文化財に登録。政府によるユネスコへの提案につながった。学校教育で重要な書道経験 背景には、書道人口が減っていることへの危機感がある。「レジャー白書」によると、余暇に書道を楽しむ人は24年が160万人で16年から100万人減少した。文化庁が18年度に書道団体を抽出して実施した調査では、「現状の課題」として8割超の団体が「会員の高齢化」と回答。少子高齢化や、趣味の多様化による習字教室の減少などが影響している。 書道経験において、学校教育が重要な位置づけにある。学習指導要領上、小中学校は国語科の中で「書写」を、高校は芸術科の選択科目の一つとして「書道」を学ぶ。 文化庁が20年、全国の12歳以上1500人を対象にした調査では、85%が小中学校で書道を経験していたが、…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事