ドキュメンタリー映画「ロンガの海」より=©小西晴子/浜口文幸記念スタジオ/ドキュメンタリー新社 戦闘が終わっても、戦争被害は終わらない。世代を超えて苦しみが続く。 ドキュメンタリー映画「ロンガの海」は、「未完の戦争」をインドネシアと日本の視点から伝える作品だ。小西晴子監督に製作の狙いなどを聞いた。四半世紀に及んだ取材 きっかけは父の言葉だった。「インドネシア人は、日本に感謝していると思う」 太平洋戦争中の1942年10月。父は東京商科大(現・一橋大)を繰り上げ卒業して陸軍に召集され、インドネシアで「郷土防衛義勇軍」の青年たちを指導した。 日本の敗戦後、その青年たちがインドネシアの植民地支配を続けようとしたオランダを破り、独立を果たした。だから感謝されている――。それが父の認識だった。 「本当なのだろうか。自分の目で確かめよう」 2000年に取材を開始した。その中で残留兵士の孫、マリオ黒岩さんと出会った。祖父の黒岩通(とおる)さんはスマトラ島北部のアチェで特別警察隊長を務めた。抗日運動に関わる住民を弾圧する役目だった。 敗戦後はインドネシア独立のための戦争に身を投じた。現地のエマさんと結婚。しかし通さんは55年、妻と4歳のヘンドリさんら子ども2人を残し、日本に帰国してしまう。 「ヘンドリさんは長い間『父親に捨てられた』と思い暮らしていました」 自分の父は、自分の祖父はどんな人物だったのか。なぜインドネシアに渡ったのか。敗戦後は現地で何をしたのか。なぜ妻子を…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事