2026年11月5日 16時50分有料記事酒井祥宏 森下友貴廃炉作業が続く東京電力福島第一原発=2025年2月21日午後3時21分、福島県大熊町、朝日新聞社ヘリから、小宮健撮影 東京電力福島第一原発事故の賠償などの対応に、2025年度までに計約13.9兆円が使われたことがわかった。会計検査院が調べ、5日に公表した。 政府想定の23.4兆円の約59%をすでに使った形だが、今後、溶けた核燃料(デブリ)の取り出し費用で膨らむ恐れがある。 賠償費用は国が借りて東電に事実上貸し付けているが、支払利息が今後増す。東電の経営状況は厳しく、検査院は、電気利用者に負担を強いているなどとして東電に、電力の安定供給と事故対応費用の負担を続けるため、収益力改善などを進めるよう指摘した。4年間で1.8兆円増 対応費用は、検査院が2013、15、18、22年に調べてきた。今回は、2022年の前回調査(2011~21年度分)より1.8兆円増えていた。 内訳は、被災者らへの賠償7兆9384億円(前回調査より11%増)▽除染関係3兆2131億円(同7%増)▽廃炉・汚染水対策2兆2477億円(同32%増)▽中間貯蔵施設関連5310億円(同98%増)。 除染が減少傾向の一方、デブリ冷却で生じた「処理水」の海洋放出が23年に始まり、関連する賠償に900億円が使われるなどしていた。今後のポイントは「デブリ」費用 検査院が、費用増大の可能性を挙げたのは、東電が主に負担している廃炉・汚染水対策。2026年度以降の追加見込みは約3.6兆円だが、この中に1、2号機のデブリ取り出しの設備費用などは含まれていない。政府は最大8兆円と見込むが、残り2.2兆円で収まるか先が見通せない現状だ。 被災者らへの賠償費用は、国が金融機関から借り、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」を通じて東電に事実上貸し付けている。東電が他の電力会社とともに、電気料金などを原資にした負担金を払い、機構を通じて国に返済している。また、除染の費用は、機構が持つ東電株の売却益で返す計画だ。 この仕組みに基づき、検査院が、現在の支払い状況や株価で試算したところ、東電の完済時期は前回調査とほぼ同じ2065年度となった。東電の完済は2065年度と試算 一方、東電の経営状況は厳しい。2026年3月期のグループ決算は、廃炉関連の特別損失が響き、4542億円の最終赤字だった。賠償や廃炉のために年5千億円の確保を目指すが、2025年度分は約3680億円にとどまった。 さらに日本銀行の金利政策の転換により、国が負担している金融機関への支払利息は急増する。検査院が、今の借入金残高と2025年度末の平均利率(1.287%)で試算すると、支払利息は年約1019億円。11~25年度全体の支払利息(約508億円)の約2倍となった。東京電力福島第一原発事故の賠償の仕組み 検査院の指摘に対し、東電は…【今ならキャンペーン価格】有料記事が2カ月間 月額100円で読み放題!詳しくはこちら宅配紙面の購読者なら、ダブルコース半年割がお得です。詳しくはこちらこの記事を書いた人酒井祥宏東京社会部|調査報道担当専門・関心分野事件、事故、調査報道、災害関連トピック・ジャンルこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月5日 (木)米中間選挙、共和党が大敗日経平均、一時3千円超の下落サイバー攻撃の対策を後押し11月4日 (水)冷蔵庫にサイバー攻撃相次ぐエンゲル係数 44年ぶり高水準不登校が急増 コロナ禍影響か11月3日 (火)GMO代表、不正アクセスを謝罪「憲法9条の碑」全国で急増冥王星の先に新たな準惑星か11月2日 (月)防災庁、きょう誕生スズキがホンダ・日産抜く眼科で視力検査 経験なし多数トップニューストップページへ「安く早く」のはずが…備蓄米の随意契約分、売却まで最長310日も16:49区割り変更も逆風しのげず 共和党、テキサスで5議席増狙うも1減に11:00「うっかり失言とはみない」 王毅氏が示す不信感と求めた「訂正」9:00「命の砂時計」を連呼した代表 専門家が語るGMO会見の問題点15:30自転車青切符、半年で約1.6万件交付 意識向上?事故9.1%減16:50亡き母は「もうちょっといい役を」 高倉健さんに上皇さまが文化勲章13:00