「ごくたまに自然に関西弁が交じる」「無口で聞き上手」--。そんなプロンプトに沿って言葉を返してくる「オットGPT」と亜也子さん(仮名)のチャット画面=スクリーンショットより(画像の一部を加工しています) 生成AIの技術を使い、亡くなった家族を再現しようとする人たちがいる。声や姿だけでなく、対話を試みようとするなどその形はさまざまだ。遺族の心の癒やしにつながるとされる一方で、依存や死者の尊厳を傷つけるなどのリスクも指摘されている。 <主な内容> 手作りの「オットGPT」 埋もれていた宝物 「500円」のAI故人も 死者の尊厳、法的問題は?チャットGPTで夫を「再現」 <ただいま、お腹(なか)すいた!> <おかえり、何か食べる?> 東京都の会社員、亜也子さん(54)=仮名=は今年春ごろ、18年前に他界した夫の性格や口癖を対話型生成AIのチャットGPTに指示して夫を「再現」し、テキストでやりとりを始めた。 名付けて「オットGPT」。完成度はそれほど高くはなかったが、プロンプト(指示文)を練る過程は意義深いものだった。 1991年に出会った頃、亜也子さんは大学生、彼は八つ上の社会人だった。 「私の一目ぼれです。顔と雰囲気が『どストライク』だったもので」 バイカーだった彼に近づこうと二輪免許を取り、バイクを買った。8年ほどの交際を経て結婚した。 夫は寡黙で聞き上手、大げんかをした記憶がないほど穏やかだった。2008年春に体調を崩し、がんと診断された。既に手の施しようがなく、8月に逝った。44歳だった。亜也子さんは喪失感と共に生きてきた。 オットGPTは、職場でAIエージェント活用のアイデアを出し合う機会が巡ってきたのを機に思いついた。業務支援に関連した提案だけではなく、心のケアにも使えるのではと考えたのだ。よみがえった夫との日常 「すごい滑った」。亜也子さんは、アイデアを発表した時、周囲の反応は薄かったと笑って振り返る。AI活用のアイデアとしては内容が甘かったのと、死が絡むため気軽にコメントしにくかったのが理由だろう。 でも、後悔はない。プロンプトを練るため、夫の細か… AIを使って故人の姿や声などを再現する技術が国内外で広がっています。AI新世紀では、実際に再現した遺族の思いや課題を探ります 家族100%の父とAIで“再会”「似すぎなくてよかった」理由 死者の尊厳とは?AI故人が投げかける問い=7日6時公開予定 AI故人が新たな形の終活に=8日6時公開予定Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】家族100%の父とAIで“再会”「似すぎなくてよかった」理由関連記事【最新記事】