共同メッセージを出した市長ら4人。右から佐々木久之・鴨川市長、渡辺秀和・南房総市長、森正一・館山市長、内田正司・鋸南町副町長=千葉県館山市で2026年11月4日午前10時26分、岩崎信道撮影 「南房総地域の観光業は元気に営業中」。8月の千葉豪雨や9月の台風25号の被害後、売り上げが大幅に落ちた観光事業者を支援しようと、館山、南房総、鴨川3市と鋸南町の首長が4日、共同でメッセージを出した。南房総地域は大きな浸水被害はなく交通網も復旧が進んでいるが、大きな被害が残っているかのような印象が一部にあり、観光客の「旅行控え」が続いているという。危機感を覚えた観光地の自治体が連携し、マイナスイメージの払拭(ふっしょく)に乗り出した。観光客25%減も 共同メッセージは、森正一・館山市長▽佐々木久之・鴨川市長▽渡辺秀和・南房総市長▽白石治和・鋸南町長――の連名で、4日に館山市内であった千葉銀行などが取り組む南房総エリア活性化イベント発表の場で出された。鋸南町は町長代理で内田正司・副町長が出席した。Advertisement10月最終日の道の駅「富楽里とみやま」(南房総市)。豪雨などの災害で遠のいた客足は戻りつつあるものの、南房総地域への旅行控えの傾向は続いているという=千葉県南房総市で2026年10月31日午後1時8分、岩崎信道撮影 「9月に南房総市内の道の駅を訪れた客数は前年同期比20・3%減」「9月に鴨川市内を訪れた観光客数は前年比25・1%減り、宿泊者数は11%減」――。各首長はそれぞれマイクを握って地域の苦境を訴えた。 こうした報告の後、南房総市の渡辺市長が代表して共同メッセージを読み上げた。多くの観光施設がこれまでと変わらず営業を続けていると強調し、「訪れる、泊まる、食べる、買う。そのひとつひとつが地域への大きな応援となります」と来訪を呼びかけた。今もキャンセルや問い合わせ続く 南房総地域は、9月の台風25号の接近で鴨川市で4人の死者が出るなど、山間地域では土砂崩れがあったが、浸水被害は限定的だった。水族館の鴨川シーワールドなど主要観光施設も営業を続けている。道路や鉄道網も被害はあったが復旧が進み、9日にはJR内房線が全線で運転再開予定だ。 だが今も大きな被害が残るイメージが一部にあり、4市町の宿泊施設に予約客らからキャンセルの連絡や被災状況に関する問い合わせが続いている。県外から来た観光客が、平常営業している飲食店に驚いた例もあるという。 南房総市観光協会がホームページやSNS上で「南房総は元気に営業しています」と発信するなど、それぞれがPRに腐心している。ただある事業者は「被災地域へ遊びに行くのはおかしいというような声がSNS上にあり、事業者自身がアピールするのはちょっと……」と、声が上げにくい風潮も感じると打ち明ける。 今回はそうした中、行政が誘客に向けメッセージを改めて打ち出した。渡辺市長は「観光は南房総地域のメイン産業。苦境に立つ事業者の声を代弁し、行政としてもバックアップしていきたい」と話した。【岩崎信道】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事