デブラ・ベイカーさん(右)の手を握り返す森下弘さん=広島県廿日市市で2026年10月11日、佐藤賢二郎撮影 「ごめんなさい。アメリカ人として本当に謝りたい」 10月中旬、初めて広島を訪れた米国人のデブラ・ベイカーさん(74)が、書家で被爆者の森下弘さん(96)=広島市佐伯区=の前で涙ながらに英語でそう繰り返した。 そして「平和のためになさってきたことに感謝します」と言って手を差し出すと、森下さんはしっかりと握り返し、「サンキュー」と言ってほほえんだ。「いかなる正当化もあり得ない」 ベイカーさんは米ワシントン州在住。20代のころ、米軍による広島への原爆投下に関する映画を見た。「自分の国があんな決断を下したことに恐怖とショックを覚えた」。反戦・反核活動に取り組み、教師として生徒にもそうした考えを伝えてきた。 今回、広島のNPO法人「ワールド・フレンドシップ・センター」(WFC)の交流事業で来日した。WFCの理事長を務めた森下さんとの面会を希望し、広島県廿日市市で開かれていた森下さんの書の作品展の会場で対面がかなった。 「人に対するあんな残虐行為にはいかなる正当化もあり得ないことを、私たちは認めなければならない」。原爆投下について、ベイカーさんはそう訴える。謝罪は米国人を代表したものではないとことわりながらも、「自分たちの政府がしてしまったことに対し、過酷なトラウマを背負い続ける皆さんに心から謝罪したかった」と話した。謝罪しなかった元大統領 森下さんは1964年、広島と長崎の被爆者が各国を回る「世界平和巡礼」の一員として渡米している。この時、原爆投下を決断したトルーマン元大統領とも面会した。被爆者にわびてほしいと心の底で願っていたが、元大統領は「…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】「今こそ歌い継いで」 90歳がバンドボーカルに託す「伝言」関連記事【最新記事】