東京地裁および東京高裁が入る庁舎=東京都千代田区で 群馬県伊勢崎市の国道で2024年、トラックを飲酒運転して家族3人を死亡させる事故を起こしたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)に問われた元運転手、鈴木吾郎被告(72)の控訴審判決で、東京高裁は5日、1審に続き法定刑の上限となる懲役20年を言い渡した。危険運転は成立しないとする弁護側の控訴を棄却した。 起訴状によると、被告は24年5月6日、飲酒の影響で正常な運転が困難な状態でトラックを運転し、伊勢崎市の国道で中央分離帯を乗り越えて対向車線にはみ出し、塚越寛人さん(当時26歳)が運転する乗用車などと衝突。塚越さんと、同乗していた長男の湊斗(みなと)ちゃん(同2歳)、父親の正宏さん(同53歳)を死亡させ、別の車の運転手も軽傷を負った。Advertisement 被告は1審・前橋地裁の公判で飲酒自体を否定したが、地裁判決(26年2月)は、勤務先での運転前の検査で被告からアルコールは検出されなかったのに、事故後の車内から220ミリリットルの焼酎の空き容器2本が見つかったと指摘。血中からもアルコールが検出されていることから「検査から事故までの間に焼酎を飲んだ」と判断した。 その上で、法医学者の法廷での証言から事故当時の血中アルコール濃度は少なくとも1ミリリットル当たり1・4ミリグラムだったと認定。酒気帯び運転の基準の5倍近い数値となり、注意・判断能力が著しく鈍っていたとして、危険運転の適用要件の「アルコールの影響で正常な運転が困難な状態」を満たすと結論付けた。 弁護側は控訴審で、被告が飲酒運転をしたことは積極的に争わない一方、周囲の状況に合わせた運転はできたとし、過失運転にとどまると訴えていた。【菅健吾】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。