後期高齢者医療制度の保険料について議論した社会保障審議会の医療保険部会=東京都港区で2026年11月5日、宮島麻実撮影 75歳以上の後期高齢者医療制度を巡り、厚生労働省は5日、保険料の年間負担上限額の引き上げや、低所得者への軽減措置の見直しに向けた議論を始めた。高齢者の就業率の上昇や平均所得の増加を踏まえ、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で委員に意見を求めた。 後期高齢者医療制度の保険料は、対象の全員が負担する「均等割り」と、所得に応じて負担する「所得割り」によって構成される。均等割りは年約5万6000円(2026年度全国平均)で、一定の収入を下回る場合は最大7割軽減される。Advertisement 所得割りは年153万円を超える所得がある人が対象で、所得から153万円を差し引いた額の約1割を負担する。 見直しの背景には、制度が始まった08年に比べて働く高齢者が増えていることがある。24年の70代後半の就業率は20・8%(08年12・8%)で、同制度への移行を控える70代前半も35・1%(同21・8%)といずれも上昇。それに伴い、75歳以上の所得も25年度は105・8万円(08年度約89万円)と増えている。 こうした環境の変化から厚労省は、85万円となっている年間上限額の引き上げ、低所得者への軽減措置のさらなる細分化も含め検討を進める方針だ。 さらに、制度に加入する前日まで会社員など世帯主の扶養に入っていた、専業主婦や親への時限的な負担軽減措置のあり方も見直しの対象とする。【肥沼直寛】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。