街に広がる「排除アート」、大阪では物議に 専門家が見る問題点

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JR大阪駅前のスペースに埋め込まれたブロック=大阪市北区で2026年7月23日午後2時25分、矢追健介撮影 JR大阪駅前のスペースにこの夏、多数のブロックが埋め込まれたことを巡り、路上生活者(ホームレス)を立ち退かせるための「排除アート」ではないかとの批判がSNSで広がった。 設置した大阪市は「人が立ち入らないよう措置したもので、ホームレス対策だけが目的ではない」と説明に追われた。Advertisement 「誰のための排除アート?」の著者で、建築史が専門の五十嵐太郎・東北大教授は8月、駅前の現場を訪れた。 五十嵐教授は「アートではなく本来はデザインと呼ぶべきもの。これは原始的な排除デザインだ」と指摘する。五十嵐太郎・東北大教授=本人提供 五十嵐教授によると、こうした工作物は少なくとも1980年代には海外で登場し、「敵対的な建築」などと呼ばれてきた。日本では90年代から注目されるようになったという。 96年には東京・新宿駅の地下通路にあった路上生活者らが集まる「ダンボール村」が撤去された後、円柱形のオブジェ約600個が敷き詰められた。 排除デザインとされる工作物は、他にも全国各地に設置されている。 名古屋市中区の若宮大通公園では、高架下のスペースに家の形をしたフレームがいくつも置かれている。 東京・渋谷駅西口前の「ウェーヴの広場」には、先端がとがった小さな角柱や円柱など大小の突起物が並ぶ。東京・京王井の頭線渋谷駅西口前にある「ウェーヴの広場」のオブジェ=五十嵐太郎教授提供 また、公園では横になれないよう間仕切りが設けられたベンチが全国各地で当たり前に存在している。 五十嵐教授はこうしたデザインについて、「主にホームレス対策として作られているが、居づらかったり座りにくかったりして、誰もが少しずつ不便になる。体が弱い人や高齢者、妊婦、災害時の避難民らへの潜在的な攻撃になっている」と問題点を指摘した。【矢追健介】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。