CERNがDebian 13採用を決断した理由とは?2200台規模の大規模移行計画が発動

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CERN(欧州原子核研究機構)が、産業用加速器制御システムで使う2,200台以上のマシンを、Debian 13へ移行する計画を明らかにしました。移行計画の背景には、RHEL系ディストリビューションで導入された新しいコンパイラ設定が、古いハードウェアの強制的な寿命終了につながる懸念があったためです。CERNは従来、RHEL系の環境を採用しており、Scientific Linuxの共同メンテナンスやAlmaLinuxの採用などRHELに深く関わってきました。しかし、RHELでは、-march=x86-64-v2が標準コンパイラフラグとして使われるようになり、古いCPUを切り捨てる方向へ進んでいます。x86-64-v2はx86-64アーキテクチャの中でも SSE3、SSSE3、SSE4.1、SSE4.2、POPCNT などの命令を必須とする世代を意味します。一方、CERNが使用する産業用加速器制御コンピューターは、長期間安定して動作することが求められるため、ハードウェアの強制的な更新は避けなければなりません。このため、RHELより保守的で安定性重視のDebianへ移行する判断が下された形です。Debian 移行で直面した課題スイスで行われた、MiniDebConfでの発表によると、移行は順調とは言えず、以下のような課題が浮き彫りになっています。自動ビルドやパッケージ公開の標準ツールが不足している公式ツールの機能にギャップがある複数バージョンを扱えないツールがあり、CERN の運用に支障が出るDebian は堅牢で安定している一方、企業向けの大規模運用では追加の仕組みづくりが必要になる場面も多いようです。2026年末までに 2,200 台以上を Debian 13 へCERNは今年中に産業用コンピューターと組み込みシステムをDebian 13へ移行する計画で、これにより2030年までのLTSサポートが確保される見込みです。なお、データセンターや実験用計算環境は引き続き RHEL/AlmaLinux を使用するとのこと。用途に応じて最適なディストリビューションが使い分けられることになりそうです。Debianは安定性と保守性を重視したディストリビューションで、UbuntuやLinux Mintの基盤にもなっています。一般ユーザー向けの便利な調整が少ない分、軽快でシンプルな構成が特徴です。[via Neowin]