2026年8月28日 16時02分上保晃平東京地裁と東京高裁が入る庁舎=東京都千代田区 アスベスト(石綿)を吸い、22年前に中皮腫で死亡した男性について、国への損害賠償請求権の時効が成立しているかが争われた訴訟の控訴審で、東京高裁(谷口園恵裁判長)は27日の判決で「発症時ではなく、死亡時から時効を起算すべきだ」と判断した。時効の成立を認めず、1300万円の賠償金を遺族に支払うよう国に命じた。 厚生労働省によると、石綿被害をめぐる時効の起算点を「死亡時」と高裁が認めたのは初めて。 男性は1964~80年、ポリエステルの製造作業に従事し、保温材に含まれていたアスベストの粉じんを吸った。2002年に悪性胸膜中皮腫と診断され、04年に亡くなった。 石綿被害に関する国の救済制度では、訴訟で和解が成立した被災者や遺族に賠償金が支払われる。国側は、中皮腫と肺がんによる死亡は「発症時」を時効の起算点としている。 今回の遺族は22年に提訴したが、国側は男性の中皮腫の発症から20年以上がたっており、時効が成立していると主張した。 高裁は、一審・東京地裁に続き「死亡した日」が起算点になるとして、遺族側の請求を認めた。 中皮腫を発症した人が生存中に、死亡による慰謝料を求めることは難しいなどと指摘。発症時から時効を起算するのは「被害者にとって著しく酷だ」と判断した。 厚労省によると、同様の裁判での高裁判決は2件目。昨年7月に高松高裁は「発症時」との国側の主張を認め、最高裁で審理が続いている。 中皮腫による死者は毎年約1500人に上っている。【この記事の続きが読める】有料記事が読み放題のスタンダードコースが初回1カ月無料!詳しくはこちら宅配紙面の購読者なら、ダブルコース半年割がお得です。詳しくはこちらこの記事を書いた人上保晃平東京社会部|裁判担当専門・関心分野社会保障、障老病異、社会思想関連トピック・ジャンルこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ8月28日 (金)北陸でレベル5大雨特別警報ネパールで大規模な土石流草間彌生さん 97歳で死去8月27日 (木)「ICCは決して負けない」東京の「赤字」2255億円「学校犬」がよりどころに8月26日 (水)コンテンツ産業支える司令塔カナダへの報復関税を表明マイナアプリにリニューアル8月25日 (火)蔵内議長が議員辞職を表明売春「買う側」の勧誘も処罰処理水放出、開始から3年トップニューストップページへ行方不明の日本人「夫婦と子3人」 ネパール土石流の死者472人に12:14関電原発内の使用済み核燃料の乾式貯蔵施設、福井県知事が建設を了解14:52横浜市の山中市長が辞意表明、後援会で伝える 調査でパワハラ認定13:16花を愛した妻、水やりの夕方に揺れが 何げない会話「まさか最後に」16:00「公認できない」自民・鈴木幹事長が福岡県連に通告 金銭授受疑惑で12:10ファミマ、人手確保狙い髪色自由に 「ヒジャブ着用OK」も明文化15:00