毎日新聞 2026/8/28 18:26(最終更新 8/28 18:26) 有料記事 2819文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷熊本地震による爆発事故から1カ月が経過したイオンモール熊本。現在も内部の惨状は発生時のままとなっている=熊本県嘉島町で2026年8月28日午前8時22分、渡部直樹撮影 家族が、友人が、日常が奪われた。10年の歳月をへて、またもや震度7の揺れに見舞われた熊本県。酷暑や断水など過酷な状況に置かれながら、熊本地震の被災者はこの1カ月を乗り越えてきた。復旧のつち音が響く被災地は28日、あの日を思う祈りに包まれた。「なぜ妹は巻き込まれたのか」 この1カ月間、「事実」を追い求めてきた。「なぜ、妹は爆発に巻き込まれたのか」。その答えはかけらも見えていない。 7月27日夜、熊本市西区の40代の男性は仕事を終えて自宅に戻り、1階のリビングに車の鍵を置いた。いつも通り、同居する30代の妹と母が談笑している。その姿を確認してリビングを後にした。この時、2人が「きっと喜んでくれる」計画を胸に秘めていた。 翌28日午後4時27分、最大震度7の地震が熊本県を襲う。男性によると、発生から数分後、ショッピングセンター「イオンモール熊本」(同県嘉島町)のアパレル店に勤務していた妹から父に電話があった。 自宅に被害がないことを確認した妹は、自身の状況を説明した。 「いろいろ倒れているので多分、片付けして帰らないといかん。ただ、いつもぐらいには帰れると思う」 地震から約1時間20分後、イオンモールで爆発事故が起きた。コンクリート片が周囲に飛び散り、粉じんが舞う。外壁が吹き飛び、鉄骨がむき出しになった。周囲にいた人々が敷地外に逃げ出した。 男性ら家族は妹にすぐ電話したが、つながらない。居ても立ってもいられず病院や警察、消防などに電話し、妹の氏名、生年月日、電話番号を伝えた。だが、安否に関する情報は一切届かない。妹がいつも帰宅する午後10時を過ぎ、男性は母に言った。 「覚悟しとかないかんぞ」。それでも、母は「生きている」と信じて待った。 翌29日夕、家族に警察から連絡があり、男性は母から「発見されたってよ」と知らされた。 「本人ですか」。男性は自宅近くの警察署で遺体の顔写真を見せられた。妹だった。遺体が安置されている部屋に入る。冷たくなった妹に、母は何度も泣き叫んだ。 「起きなさい! 起きなさい!」 その日、遺体とともに見つかったスマートフォンが警察から返却された。メッセージなどを確認すると、友人ら15人から「大丈夫?」「返事して」などと心配する文面が届いていた。 妹はアニメ好きで、作品ゆかりの地を巡る「聖地巡礼」をよくしていた。人気漫画「呪術廻戦(かいせん)」のイベントに参加予定で、既にチケットや航空券を購入していたことをメッセージを読んで知った。「いつもの日常が…」 8月上旬に営まれた通夜と葬儀には、約300人が参列してくれた。妹が眠るひつぎには、未着用のまま残された呪術廻戦のTシャツを供えた。妹の指には、趣味で自ら作ったネイルが付いていた。「形見」として外し、荼毘(だび)に付した。 地震前日、男性は妹と言葉を交わさなかった。いつものことだったから。結果論で言えば、話しておけばよかったとも思う。でも、「普段、何話してた?」と聞かれると言葉に詰まる。願いはただ一つだけだ。 「いつもの日常がずっと続いてほしかった」 …この記事は有料記事です。残り1540文字(全文2819文字)関連記事【最新記事】あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>