毎日新聞 2026/8/26 16:00(最終更新 8/26 16:00) 有料記事 2892文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷インタビューに答えるジャーナリストの立花隆さん=東京都文京区で2014年、竹内幹撮影 宇宙に行くと、人は変わるのか――。外から地球を見る。重力も空気もない環境に身を置く。無限の闇を感じる。そんな特異な体験が、精神や認識にもたらす変化に迫った。 「知の巨人」と称されたノンフィクション作家の立花隆さんが、人類初の月面着陸を目指すアポロ計画などに参加した米国の宇宙飛行士12人に取材し、1983年に出版した「宇宙からの帰還」である。平和実現か愚行拡大か 生還した12人の後半生はさまざまだ。宇宙で神の存在を感じて伝道師になった人、実業家や政治家に転身した人、心を病んだ人もいる。だが、誰もが宇宙を体感しなければ語れない、時に神秘的な言葉を口にする。 立花さんといえば「田中角栄研究 その金脈と人脈」が有名だ。田中内閣退陣の引き金となった調査報道の傑作だが、作品の影響力では本書も譲らない。 例えば、日本の飛行士である。元宇宙航空研究開発機構(JAXA)の野口聡一さん(61)は、高校3年での本作との出会いが飛行士を志した原点だと著書に記している。 日本人最多となる5回の宇宙飛行を経験した若田光一さん(63)も学生時代に一読し、2009年の3回目の飛行では国際宇宙ステーション(ISS)にも持参している。 「アポロ時代の飛行士と比べ、自分はどういう精神的な感化を受けるのかと興味があり、宇宙で読み返そうと思ったんです。ISSに半年間滞在すると、地球の周りを3000周以上も回ります。私が感じたのは、地球はすごく小さくてはかない。その中で私たちは生かされているということです。だからこそ、愚かな戦争や環境破壊から地球を守らないといけない」 私の取材にこう語った若田さん。さらに持論を続けた。 「地球を遠くから見ることでかけがえのなさを実感し、故郷を守っていく。同時に、活動領域を地球以外に広げていく。そうすることが、今後人類という種が存続するための究極的な危機管理ではないでしょうか」 この言葉は、本作で示される<宇宙人への進化>という視点に重なる。立花さんは宇宙という<新しい物理的空間に進出する>ことによって、人類の意識もまた<新しい精神的空間を手に入れる>と論じるのだ。 ならば、多くの人々が<宇宙人>に進化したら、世界が平和になるのではと期待してしまうが、そうとは限らない。<地球上で繰り広げてきた愚行を、宇宙規模に拡大する>ことに立花さんは警鐘を鳴らしている。 今や金さえ払えば宇宙旅行できる時代となった。宇宙は資源開発やビジネスの対象となり、大国は競うように宇宙軍を創設している。43年前に人類の行く末を予見した立花さんの哲学的な問いは、今こそ重みを増していよう。飛行士にも作家にも影響 「この本に多大な影響を受けた」と公言する書き手もいる。ノンフィクション作家の稲泉連さん(47)だ。話を伺うと、まず驚いたのが着眼点だという。 「飛行士が宇宙に行くまで、人類は外から地球を見るという体験を持たなかった。それによって…この記事は有料記事です。残り1673文字(全文2892文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>