Apple SiliconへのLinux移植を進めるAsahi Linuxプロジェクトが、Apple M3デバイス対応に関する最新状況を公開しました。このレポートによると、M3世代のサポートが大きく前進しており、近いうちに下流版コードを使ったリリースが提供できる見込みです。M3シリーズでは細かな変更が多く、開発チームは逆解析を進めながら対応を進めています。最近行われた改善で特に大きいのは以下のような項目です。Webカメラが新パッチにより動作マイク周りの処理が調整USB 3.0 と Thunderbolt が最新コードで利用可能これらにより、日常的な利用に必要な基本機能がほぼ揃い、リリース準備が整いつつあります。電源管理の課題、GPU周りの改善Appleシリコンの電源管理は特殊で、ARM64デバイスで一般的なPSCI(Power State Coordination Interface)との整合性が課題になっています。現状、Asahi Linuxの下流コードのみが「深いWFI(Wait For Interrupt)」を利用できますが、将来的にはUEFI Runtime Serviceを使ったPSCI経由の仕組みを実装し、メインラインLinuxでも扱えるようにする計画が進行中です。GPUの直接描画(Direct Scan-Out)を可能にする取り組みも進行中です。これはディスプレイ出力の効率化につながる重要な改善ですが、まだユーザー向けに提供できる段階ではなく、今後のアップデートで実装が期待されます。M4・M5世代も開発継続M3に比べると課題は多いものの、M4・M5世代の bring-up も進んでいます。Apple独自の設計やセキュリティ機構が障壁となっており、開発チームは引き続き解析と対応を進めています。まとめ:M3対応は「ほぼ準備完了」、上流統合はこれからAsahi Linux は Apple M3 対応の下流版リリースを近く提供できる見込みで、主要機能の多くが動作する段階に到達しました。ただし、これらのコードが Linux メインラインに統合されるには時間がかかる見通しです。Appleシリコンの複雑な設計に挑むAsahi Linuxの取り組みは、今後も注目を集めそうです。[via Phoronix]