採血を嫌がる小児患者型ロボット=北九州市小倉北区で2026年9月17日午後1時53分、橋本勝利撮影 西日本看護医療大学(北九州市小倉北区)は、ロボットメーカー「テムザック」(京都市)との共同研究で、小児看護の実践教育にAI(人工知能)を組み込んだシミュレーターロボットを活用する取り組みを始めた。来年度の導入を予定する。 テムザックによると、5歳想定の小児患者型ロボットに対話型人工知能「チャットGPT」の機能を連動させ、学生の声かけや接し方に応じた反応を体現できる仕組みで、AIが生成した応答に合わせてロボットが暴れたり、治療を嫌がったりする子どもの反応を再現。看護学生が状況に応じた対応を学べる仕組みとなっている。Advertisement 9月17日に同大で開かれたデモンストレーションでは、看護師役が「ママが来たよ」「採血するよ」と話しかけると、「ママの手をぎゅっと握っておくよ」「嫌だ、怖い」などと応答したり、手足をばたつかせたりして治療を嫌がる様子を見せた。共同研究について説明する西日本看護医療大学の橋爪誠学長(左から3人目)=北九州市小倉北区で2026年9月17日午後1時30分、橋本勝利撮影 喜怒哀楽の感情表現に加え、蒼白(そうはく)や紅潮といった顔色や、瞳孔、呼吸音の変化、けいれんや過呼吸などを細かく再現できる。 ロボットの導入の背景には、小児病棟の減少や入院の短期化により、実習の機会を十分に確保することが難しくなっていることがある。また、患者の安全や心理的負担などを考慮する必要がある面からも、実習機会を確保することは容易ではない。安全な環境でリアルな反応を想定した訓練を重ねることが必要とされ、今回のシミュレーション教育導入の期待は大きいという。 同大の橋爪誠学長は「少子化に伴い、実習先が少なくなるなど厳しい状況にある。また、子どもは大人と違い予期しない動きをすることも多い。共同研究を経て小児看護教育の課題解決につなげていきたい」と話し、テムザックの高本陽一・代表取締役議長は「AIに体を持たせたロボットを取り入れての事業は世界的にも珍しいと思う」と話し期待を寄せた。【橋本勝利】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。