国会議事堂=東京都千代田区で、平田明浩撮影 政府は23日、2026年版の自殺対策白書を閣議決定した。25年の自殺者数は1万9188人で、統計開始以降、初めて2万人を下回った。一方で若年層の自殺者数は減少傾向になく、特に29歳以下の女性の自殺死亡率(人口10万人あたりの自殺者数)は高止まりが続いている。自傷・自殺未遂をして入院した人のうち、医療機関が支援機関につないだのは、2割程度にとどまることも判明した。 29歳以下の女性の自殺死亡率は近年上昇傾向にある。19歳まででは、19年では10万人あたり2・1人だったのが、25年では4・6人だった。20~29歳では、同じ期間で10・2人が13・7人に増加した。19歳以下の男性も、ゆるやかな上昇傾向にある。厚生労働省は「心の健康の問題や家庭の問題が増えていることが背景にある」と分析する。Advertisement 若者で増加傾向にある自傷・自殺未遂の症例も分析した。それらの行為を繰り返していた人の割合は、男性よりも女性の方が大幅に高く、29歳以下の女性では約6割だった。 救命救急センターで処置後に入院した女性への医療機関の対応としては、相談機関の紹介など「情報提供のみ」が5割程度で、自治体や支援機関など「新たな連携先へのつなぎ実施」は2割程度にとどまった。厚労省は医療機関にかかったことをきっかけに、日常生活で自殺リスクを下げるような、具体的な支援につなげることが重要だとしている。 今回の白書では、自殺対策基本法制定から20年経過したことから、自殺者数の長期推移や傾向の変化についても分析した。自殺者数は1998年に急増して以降3万人台で推移してきたが、10年に減少に転じた。25年は統計開始以降、初めて2万人を下回ったが、小中高生は538人と過去最多だった。 自殺者数の大幅な減少がみられたのは、同居人がいて仕事をしている男性▽失業した男性▽主婦――だった。反対に、依然として減少傾向にないのは、学生・生徒▽単身で暮らし仕事をしている人▽単身の年金受給者――などだった。【宮島麻実】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。