岡本翔斗投手(左)と河本拓也監督=大阪府枚方市の府立香里丘高で2026年10月1日午後5時32分、村上正撮影 野球部が内野守備の練習をする奥でシュート練習に励むサッカー部。他にも陸上部、ソフトボール部と時間帯を分けながらグラウンドを共用する。公立高校ではよくある光景だ。 この環境からプロ野球12球団がこぞって視察に訪れるドラフト候補が現れた。大阪府枚方市の府立香里丘(こうりがおか)高、岡本翔斗投手(3年)だ。 「恵まれた私立をうらやましいと思ったことはありません」 目標を明確に持ち、自ら考えてトレーニングに打ち込みプロ注目の選手にまで成長した。「漫画家が描くような腕のしなり」 体を沈み込ませ、右腕をしならせる。リリースポイントはホームベースに近く、低い。糸を引いたようなストレートは最速148キロを誇る。 3年間指導した河本拓也監督(36)は振り返る。 「今となってはこれだけ注目されているので、なぜ大阪桐蔭や履正社ではないのかと言われますが、入学時はそのレベルではありませんでした」 当時のストレートは最速125キロ。しかし、その投球フォームは当時からほれぼれするものだった。 河本監督は続ける。 「細身でしたが何よりフォームが美しく、漫画家が描くような腕のしなりでした。『そんなしならんやろ』というぐらい大げさなタッチで描く漫画と同等のフォームでした」 学校は1980年に創立され、学科は普通科のみ。地元では「こーり」の愛称で親しまれる。 ごく一般的な公立校で飛躍を遂げた裏側には中学時代の挫折も関係していた。 クラブチームに入ったが、管理された練習メニューに合わず、中学の軟式野球部に入り直した。 中学1年だった2021年夏にいとこが在籍していた香里丘の試合を見に行ったことが、進学のきっかけとなった。 大阪大会4回戦、相手は甲子園優勝経験のある履正社だった。敗れはしたが1―2と善戦し、「公立でも強豪校と…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】「弱小チームなら…」東大野球部監督が感じる7回制のデメリット関連記事