体内に死者の魂を宿し 灰谷健次郎が伝えた「ちむぐりさ」の精神

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没後20年を迎えた児童文学作家の灰谷健次郎=2001年3月 ヒューマニズムが揺らいでいる。 善意につけ込み、多額の金銭を奪う特殊詐欺が後を絶たない。匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ=匿流)が悪質化に拍車をかける。匿流の温床であるSNSには誹謗(ひぼう)中傷やデマなど社会を混乱させる言葉があふれる。自己責任論と一体の新自由主義が世界を席巻し、高齢者医療制度や生活保護といった社会的セーフティーネットに厳しい目が注がれる。 そんな時代に思い起こされるのがエゴイズムと向き合い、その先にある人間の優しさや生命への畏敬(いけい)を訴えた児童文学作家、灰谷健次郎(1934~2006年)のことだ。多くの読者を獲得した一方、「理想論」「性善説」と批判を浴びることもあった。 他者の痛みを想像し、自分と異なる境遇にある人の苦しみを知ろうとする。その姿勢は、乾いた時代だからよみがえるのだろうか。没後20年。灰谷の精神を見つめてみたい。読者が築いたユートピア…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事