「だれもが詩人に」 作家の街・鎌倉「詩をフェス」、126カ所で

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「世界の詩を、ここへ ロシア、アラビア語世界、アフリカを中心に」をテーマに開かれた「詩をフェス」のシンポジウム=鎌倉市の浄智寺で2026年10月10日、堀山明子撮影 川端康成や中原中也ら名だたる作家が愛した鎌倉で、詩にちなんだイベントを市内のカフェやお寺で開催する「KAMAKURA POETRY FESTIVAL 詩を(通称・詩をフェス)」が10月いっぱい、開かれている。昨年に続いて2回目の開催で、今年のテーマは「詩を持って、街へ出よう」。詩は詩集の中にあるだけでなく、暮らしの隅々にとけ込んでいて、「だれもが詩人になれる」という主催者の思いが込められている。ネタは幅広く2026年10月に鎌倉市内の126カ所で開催されている「詩をフェス」の案内地図=堀山明子撮影 鶴岡八幡宮近くのカフェ「エチカ」で詩の朗読会や音楽会を定期的に開催してきた千田哲也さんが昨年、出版関係者や編集者らに呼びかけて初めて開催した。カフェやホテルなど52カ所でイベントが開かれ、「来年は私も企画したい」という声が相次いだという。Advertisement 今年は地元のFMラジオ局や出版社と連携して正式に実行委員会を発足。持ち込み企画と場所を提供する店舗をマッチングしたところ、イベントは126カ所に増えた。鎌倉らしい写真に詩を添えたローカルな展示から、中東やウクライナで戦争が続く中で「言葉とは何か」を考えるグローバルなネタまで幅広い。詩のパワーとは…「詩をフェス」では、詩人の詩集やエッセーなど関連本約1000冊を扱った古本市も開かれた=鎌倉市のカフェ「ブオリ」で、2026年10月11日、堀山明子撮影 24日午後には、地元出版社「港の人」の主催でルーマニアから詩人リュビツァ・ライキッチさんを招き、セルビア在住の詩人、山崎佳代子さんらと歌に合わせて表現する。山崎さんは独ナチス時代の強制収容所やソ連崩壊後の東欧地域の虐殺を題材に多くの詩を発表している。 10日には、ロシアやエジプト出身の文学研究者を招いて詩の朗読会も開かれ、言論弾圧や戦争に抵抗する中で生まれる「詩の力」について議論した。実行委員長を務めるフリーライターの志賀桂子さんは「詩人は時代的な危機を最初に伝えるカナリアにたとえられる。厳しい状況の中で表現し続ける詩人の言葉に耳を傾ける機会が日本では少ないが、意味がある」と語る。 千田さんは「詩は情報とは違って、一人から一人へ語るもの。人ごとではなく、個人的な意思として伝わった時、その詩が表現した『世界の状況』に触れられる」と詩の持つパワーについて熱く語った。 詩をフェスは31日まで。イベント内容の確認は実行委員会ウェブサイトへ。【堀山明子】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事