新作公演「原爆は京都に落とされるはずだった」に向け、稽古(けいこ)を重ねる燐光群の俳優たち=姫田蘭撮影 米軍は日本の貴重な文化財を守るために京都を空襲しなかった? 学校でそう習った気がするが、これは後から流布された都合のいいプロパガンダだろう。通常兵器による爆撃が控えられた理由は他にあった。 「原爆は京都に落とされるはずだった」。衝撃の舞台が開幕する。「キョウト」の可能性 「ヒロシマ、ナガサキとカタカナにすることで、象徴にしてしまってませんか?」 そう問いかけるのは、劇団「燐光群(りんこうぐん)」を主宰する劇作家の坂手洋二さんだ。新作「原爆は京都に落とされるはずだった」を25日から披露する。 原爆の投下とは、生身の人間に対して現実に遂行された、残虐非道な大量殺人だ。それをカタカナで記号化すると、どうなるか。 「済んでしまったことにして、リアルから遠ざけ、触れられない領域に追いやるのではないかと思います」 ヒロシマ、ナガサキという表現は、原爆を昔話にして2都市だけに押しつけることにもつながりかねないということか。 「米国は原爆をどこに落としていてもおかしくなかった。ヒロシマ、ナガサキ、キョウトとなっていた可能性を否定できないのです」 その京都について、坂手さんたちは歴史上の「もしも」に着目した。原爆は1945年8月に投下される直前まで、京都が最有力候補地とされていたからだ。 米国による投下地点の選定で、…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事