ウクライナのゼレンスキー大統領=ブリュッセルで2026年10月16日、AP 米宇宙開発企業「スペースX」の衛星通信サービス「スターリンク」。ロシアの侵攻を受けるウクライナ軍が無人航空機(ドローン)による攻撃や迎撃などで利用する重要な通信インフラだ。ウクライナは米側がスターリンクの通信速度を制限したと主張するが、米側は関与を否定しており、「黒幕」は判然としない。背景には何があるのか。即座に疑われたのは…… 「米政府からのメッセージだ。誰かは分からないが、そうでなければ起こらないことだ」 ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、米NBCテレビのインタビューで通信制限についてこう訴えた。 ウクライナメディアによると、通信制限が始まったのは今月中旬。スターリンクの軍用サービス「スターシールド」を搭載したウクライナ軍のドローンが時速160キロを超える速度で飛行すると通信が不安定化するようになった。弾道ミサイルの迎撃にも支障が出たという。 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ウクライナ側はすぐにトランプ米大統領か、トランプ氏に近いスペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の関与を疑った。背景に透けるのは、ウクライナが抱くトランプ米政権への強烈な不信感だ。再びロシアに傾斜するトランプ氏 「平和の構築者」を自任するトランプ氏は2025年1月の2期目就任以降、戦闘終結に向けて仲介を試みてきた。 ただ、トランプ氏の外交姿勢はウクライナとロシアの間で二転三転し、25年2月にはゼレンスキー氏との首脳会談での口論をきっかけに、一時的な軍事支援の停止にまで踏み切った経緯がある。 その後も、ウクライナに同情的な姿勢を見せたかと思えば、ロシアのプーチン大統領に親近感を示すなど、姿勢は定まってこなかった。ロシアとウクライナは互いにトランプ氏の取り込みを図ってきたのが実情だ。 ただ、トランプ氏はこのところ急速に…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】暴動に不安募らせるパリ市民 略奪被害の商店主「全て失った」関連記事【最新記事】