特派員の目:岩屋氏訪中で変わる? 中国レアアース規制の現実=松倉佑輔

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記念写真に納まる日本国際貿易促進協会会長の岩屋毅前外相(前列左から3人目)と中国の何立峰副首相(同4人目)ら=北京市の人民大会堂で2026年9月29日(代表撮影) 「日本との経済・民間交流について中国側は前向きであると私自身は受け止めた」 9月下旬、北京での記者会見でこう強調したのは前外相の岩屋毅氏(自民党)だ。民間の経済団体である日本国際貿易促進協会(国貿促)会長として訪中。滞在中は何立峰副首相(経済政策担当)や王毅外相ら習近平指導部と相次いで会談した。 岩屋氏は会談で、邦人の安全確保などに加えてレアアース(希土類)などの日本向け輸出許可の手続き迅速化も求めた。何氏からは「民生分野であれば問題ない」との返答があったという。Advertisement中国の何立峰副首相(右)と会談する日本国際貿易促進協会会長の岩屋毅前外相=北京市の人民大会堂で2026年9月29日(代表撮影) 政府間の対話が途絶え、民間の経済活動にも影響が及んでいる日中関係。今回の岩屋氏の訪中は状況の打開につながるのだろうか。 中国政府が日本への圧力を強めたのは2026年1月だ。軍民両用(デュアルユース)品目の輸出規制を強め、日本へのレアアース輸出は減少傾向が続く。在中の日本企業からは「これまで問題にされなかった民生分野でも当局の指摘が厳しくなり、手続きに遅れが出ている」(商社幹部)との声も漏れる。 中国商務省は当初から「民生分野は何の影響もない」と繰り返すが、実態は異なる形だ。背景にあるのが現場の「忖度(そんたく)」。指導部が日本批判を続ける中で、日本との交流やビジネスを避ける「空気」が広がり、不透明な対応が日本企業を悩ませてきた。中国商務省=北京市で2026年2月24日、松倉佑輔撮影 何氏の輸出規制を巡る発言はこれまでの主張を踏襲したもので、「状況が変わるとは思えない」(外交筋)との指摘が主流だ。ただ、25年11月の高市早苗首相の発言以降、指導部メンバーが日本側代表を正式に遇するのは初めてとなる。国営メディアは今回の会談を伝える報道で「中日は一衣帯水の重要な経済パートナー」とする何氏の言葉を紹介した。 25年6月には国貿促の河野洋平前会長が李強首相と会談した後に輸出手続きが改善した例もある。今回の件をきっかけに中国国内の「空気」が変化し、何らかの改善につながる可能性はゼロではない。 経済分野での接近に「中国政府による高市政権への揺さぶりだ」との声もあるが、政府間の関係改善の兆しは一向に見えない。その間も経済は動き続けている。今後は経団連なども訪中を検討する。まずは民間主導で対話の糸口を探る状況が続きそうだ。【北京・松倉佑輔】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】順調な出だしのバーナム英首相 好感度が高い理由は=福永方人