「魂の殺人」と戦争とDVと… 小林茂監督が語った映画最新作

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インタビューに答える小林茂監督=長岡市土合で2026年10月9日午後2時27分、内藤陽撮影 新潟県長岡市在住の映画監督、小林茂さん(72)の最新長編作「魂のきせき」(74分)が24日からユーロスペース(東京都渋谷区)で公開される。「魂の殺人」と呼ばれる性暴力による痛みを心に抱えて生きる詩人、写真家、カウンセラーの女性3人を追ったドキュメンタリー映画で、監督自らが初出演。31日から新潟シネ・ウインド(新潟市中央区)での公開も決まり、小林監督に話を聞いた。【聞き手・内藤陽】 ――過去、公害病や障害者、貧困などがテーマでしたが、今回性暴力を選んだ理由は。 ◆(友人で、出演者の詩人)森永都子さんが40歳を過ぎて故郷に帰り、(幼い頃に受けた性暴力の)フラッシュバックに悩まされたのが発端です。「死にたい」「うつになった」とか頻繁に電話がかかって来るわけです。僕は三十数年間、それに付き合って、一緒に苦しんできたし、勉強もしてきましたね。 ――撮影のきっかけは。 ◆(出演者の写真家)にのみやさをりさんとは、雑誌に連載された彼女の性虐待に関する写真リポート(2011年)に驚き、編集部を通じて知り合いました。にのみやさんは東京都国立市の喫茶店で写真展を開いていて毎年、開催の通知はがきをいただいていました。16年秋ごろ、はがきの端に手書きで「ここでの展示は最後になります」とあり、その字を見たときに「あー、これは映画にしなきゃ」と思ったんです。なぜだか今でも分かりませんが。頼みに行って、すぐに断られましたが、途中で「やめたい」と言われたらすぐにやめますという条件で引き受けてもらいました。 ――撮影で気をつけたこと、難しかったことは。 ◆テーマが非常にデリケートな問題ですし、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や解離、うつ症状、健忘症などの波があるので、撮影スタッフは一喜一憂するのは避け、慎重な対応を心がけました。3人の被写体が最後まで付き合ってくれるか、9年がかりの製作なので、(出演者に)見てもらいながらの編集作業、(出演者が)2次被害にさらされる可能性など多くの困難がありました。撮影は内面に踏み込んでいく作業なので、プライベートも含め彼女たちが自らの世界を開いてくれたことに感謝しています。 ――監督自らが作品に出演した理由は。 …Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。