読む政治:政権を左右?「批判があっても」高市首相がこだわる維新との約束

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参院予算委員会に臨み、国会内を歩く高市早苗首相(中央)=2026年10月19日午前8時52分、平田明浩撮影 2025年10月21日に衆参両院で高市早苗氏(自民党総裁)が首相に選出されて1年を迎えた。首相は2月の衆院選で大勝すると「国論を二分する」政策への取り組みを強調。「数の力」も背景に、日本維新の会との連立政権合意に盛り込まれた武器輸出の解禁や皇室典範の改正などを推し進めた。一方、合意内容のうち衆院議員定数の削減や、企業・団体献金のあり方についての結論に向けた道筋などは見えていない。両党の温度差も生じており、党内基盤の弱い首相にとり、合意事項をどこまで実現できるかは連立政権の行方を左右する。 「批判があっても今始めなきゃ間に合わないことがいっぱいある。それが私の強い思いだった」 14日の衆院予算委員会。首相は維新の藤田文武共同代表から1年間の振り返りを問われ、そう答えた。経済財政政策や安全保障、インテリジェンス(情報収集・分析)などを取り上げつつ、維新について「自民が最も苦しいときに、新たに連立を組む重大な決断をしていただいた」と持ち上げることも忘れなかった。Advertisement  高市氏は25年10月4日に自民総裁に選出されたが、直後に公明党が自民との連立を解消。国会は衆参ともに少数与党で、首相指名すらおぼつかない厳しい船出となったが、助け舟を出したのが維新だった。12分野48項目の連立合意書に署名し政権発足にこぎ着けたものの、国会で法案を成立させる見通しは立たず、合意内容については「現実離れしている」(閣僚経験者)との声も出ていた。衆院選大勝で手にした「数の力」 思うような政権運営ができない中、首相は年が明けた1月に通常国会冒頭での衆院解散に踏み切り、2月の総選挙で自民は現憲法下で単独政党として最大の316議席を獲得した。首相周辺は「野党はもちろん、党内の異論も封じることができた。何よりも自らが得た議席で政策を推進する正当性を確立できた」と語る。自民党と日本維新の会の連立合意内容の主な達成状況 「数の力」を得た首相は、特別国会で26年度予算の成立後、歴代政権が結論を先送りしてきた課題に次々と着手する。 4月に殺傷能力のある武器輸出の原則容認を閣議決定。5月には野党の賛同も得て、インテリジェンスの司令塔となる「国家情報会議」の設置法、7月には旧宮家出身の男系男子を養子縁組で皇族にできるようにすることなどを柱とする改正皇室典範をそれぞれ成立させた。 10月5日に開会した臨時国会では、飲食料品の消費減税関連法案の成立が最大の焦点となる。ただ、具体的な財源確保策は示しておらず、自民の財政規律派を中心に異論も出ている。少数与党の参院で過半数の賛成を得るため一部野党との駆け引きも必要となる。 党是とされる憲法改正への取り組みも注目される。首相は今年4月の党大会で「改正発議にめどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたい」と早期改正に意欲を示した。党大会は来年2月を予定しているが、官邸関係者は「臨時国会では大きな動きはない」との見方を示す。「合意の更新必要」維新は圧力自民党と日本維新の会の連立合意内容の主な達成状況 特別国会では維新肝いり政策のうち副首都法は会期を延長させて成立したが、衆院議員定数の1割削減は継続審議となった。与党が主張する比例代表を45削減する案には、主要野党が反発を強めている。自民内での異論も根強く、自民関係者は「首相は維新におもねり過ぎだ。そもそもなぜ減らすのかからしっかり議論すべきではないか」と不満を漏らす。 一方、合意で定めた目標時期を過ぎても進展しない項目もあり、煮え切らない自民の姿勢に維新側のいら立ちも募る。柴田巧幹事長は19日、記者団に「1年前には想定していなかった課題も出てくると思われる。どこかの時点で連立合意の更新は必要になってくる」と述べた。【遠藤修平】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】林氏「閣外放出」の内幕 高市首相との緊迫の心理戦に迫る関連記事【最新記事】