ウズラ=古川恭平・名古屋大助教提供 ウズラの餌として一般的なトウモロコシに代えて玄米を与えても、ウズラの卵の生産量や卵黄の重量は減らず、むしろタウリンなど栄養価の高い成分が増えることが分かったと、名古屋大の研究チームが発表した。トウモロコシの輸入価格が近年高騰する中、国内で自給可能な国産玄米が代替飼料として活用できると期待される。 日本の畜産業は飼料の多くを海外からの輸入に頼っている。そのため国際情勢や気候変動の影響で高騰したり、輸入が滞ったりするリスクを抱えている。国産穀物の活用が期待されるが、卵の成分の変化などはよく分かっていなかった。Advertisement チームは、産卵用のウズラを使い、従来のトウモロコシを与える10羽と、玄米を与える10羽に分けてそれぞれ8週間飼育し、黄身成分への影響などを調べた。 その結果、産卵率や黄身の重量など基本的な卵の質への影響は確認されなかった。一方、機能性成分として脂質代謝調節機能などがあるタウリンは玄米育ちのウズラが産んだ卵で1・5倍近く増えていた。また、ビタミンE類の一種で高い抗酸化作用を持つα―トコトリエノールは玄米群の卵にのみ蓄積することが明らかになった。 玄米を与えたウズラで遺伝子や脂質などの変化を調べたところ、肝臓での脂肪酸合成が活性化し、黄身に含まれる脂肪酸の組成が変化していた。これらが風味に影響している可能性があるという。 古川恭平・名古屋大助教(栄養学)は「玄米が単に代替飼料になり得るだけでなく、卵の機能性を高められると期待できる。現状では飼料玄米のコストは高く、餌の切り替えには課題があるが、海外依存を下げる方策が求められる。今後、鶏卵でも解析していきたい」と話した。 成果は国際科学誌フード・ケミストリーに掲載された。【渡辺諒】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。