みんなの高校野球:「7イニング制でもドラマ」 7回制実施の女子野球・履正社監督

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履正社高女子硬式野球部の橘田恵監督=大阪府箕面市の履正社スポーツ専門学校北大阪校箕面キャンパスで2026年10月2日午後4時51分、塚本紘平撮影 気候変動や少子化など社会の変化とともに、高校野球も大きな転換点を迎えている。 諸課題の解決策として、日本高校野球連盟は7イニング制の導入を検討する。 さまざまな意見があって賛否が分かれる中、7回制を採用する女子野球の現場からはどう映るのか。 大阪・履正社高で女子硬式野球部の監督を務める橘田(きった)恵さん(43)は「これだけ時間をかけて丁寧に議論されていることは素晴らしいこと。だからこそ良い方向に議論が進むことを願っている」と話す。【聞き手・塚本紘平】女子はベンチ入り25人が「暑さ対策」 小学生のころから野球に打ち込んできた。指導者となってからは女子野球選手たちと関わって、日々7イニング制で野球をやっている。Advertisement なぜ7イニング制にする必要があるかと言えば、暑さ対策を念頭に置いていると思う。9回から7回にすることによって、試合時間が短くなることが見込まれると思うが、そもそもがプロ野球とは違い、高校野球は試合の進み方が早い。 2イニング分減らすことによって、15~30分程度短くなると思うが、それだけで暑さ対策につながるかは疑問だ。 今夏の全国高校女子硬式野球選手権大会では、酷暑の中で連戦するチームもあった。 指導者としても、熱中症にさせないように気を配っているが、ベンチ入りできる人数が男子とは違い、女子は25人までと多い。 枠が多いことで、選手を思い切って交代させることができる。それが選手の負担を減らすことにつながっていると感じ、疲労を軽減させることが暑さ対策にもなっていると考える。履正社高女子硬式野球部の橘田恵監督=大阪府箕面市の履正社スポーツ専門学校北大阪校箕面キャンパスで2026年10月2日午後4時50分、塚本紘平撮影 イニングを減らす前に、あくまで一例だが、ベンチ入り枠を増やすなど、暑さ対策でもまだできることがあるはずだ。 選手としても9回、7回のどちらも経験しているが、野球が好きなこともあって、9回を長いと思ったことはない。選手からすれば、終盤で代打で試合に出られるチャンスを奪われることになるかもしれないし、試合時間を短くされることも嫌だろうということは想像に難くない。丁寧な議論に期待 ただ、7回制に移行することで、終盤のドラマがなくなってしまうという意見には疑問を感じる。攻撃の好機は9回でも7回でも、ないときはないし、あるときはある。 女子野球を指導していても、最終回の七回に、リードしていた試合で逆転負けしたり、逆に劣勢の試合でも勝ったりした経験をこれまで幾度となくしてきた。何イニング制でも「終盤や最終回にドラマがある」と感じている。 最後に、7回制に移行するかどうかの議論が時間をかけて丁寧に進められているのは素晴らしいことだと思う。法改正もそうだが、気づいたら変わっていることもある。 ある日突然、変えていたら楽だったかもしれないが、時間をかけているからこそ、賛成意見も批判する声も両方出てきたのだと思う。(日本高野連の)組織が伝統を大事にしていることを感じる。これだけ丁寧に進めているからこそ、議論が良い方向に進んでくれることを祈っている。橘田恵(きった・めぐみ)さん 1983年生まれ。兵庫県出身。小学生から野球を始め、仙台大では硬式野球部に所属し女子選手ながら公式戦に出場した。2012年に履正社医療スポーツ専門学校に新設された女子硬式野球チームの監督に就いた後、履正社高女子硬式野球部の監督に就任。履正社国際医療スポーツ専門学校では、外国語学科主任を務めている。