露光計:プーチン氏の思惑に沿った露下院選 「新しいエリート」の実像は

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ロシア下院選で、シベリア南部トゥワ共和国の小選挙区で与党・統一ロシアから出馬した帰還軍人の大型看板。「ロシア英雄」の称号も有しており、大差で当選した=クズルで2026年8月18日、真野森作撮影 あなたはどんな基準で1票を投じましたか? ロシア下院選の投票最終日だった9月20日、モスクワ中心部の投票所2カ所で有権者に尋ねた。 大学1年生のワシリーさん(18)は「国民が平穏に暮らせるようにすることですね。今起きていることはちょっと……」と言いよどんだ。隣にいた母親(48)は「若い人たちはあまり希望を持っていないと思う。それでも、投票に行かなければ悪循環に陥ってしまう」と付け加えた。 23歳の女性は祈るように言った。「市民の権利の擁護に取り組み、平和と自由を提唱する政党を選びました。私の票がロシアの現状を変える一助となることを心から願っています」 「私の投票基準はただ一つ。与党・統一ロシアには入れないということだ」。政府機関で働いていたという年金生活者のミハイルさん(65)はきっぱりと言った。選挙後の変化には期待せず、「私たちはこのような時代に長く暮らし続けることになるでしょう」と悲観した。 いずれも電子投票を信用せず、紙での投票を選んだ人たちだ。リベラル層が多い首都ゆえの偏りもあろうが、ロシアがウクライナで「特別軍事作戦」を続ける中、平和の訪れへの願いを複数聞いた。与党が大勝 その5日後、露中央選挙管理委員会が下院選の確定結果を発表した。統一ロシアが349議席を獲得し、定数450の4分の3を超える「歴史的圧勝」となった。投票率は59・80%だった。 その他の議席も、政権の方針に大筋で従う「体制内野党」の共産党や自由民主党が確保した。反戦を唱えてきた改革派野党「ヤブロコ」は比例代表への参加を排除され、1議席も得られなかった。 プーチン大統領は、政府の会合で「これほど活発な投票は、人々が国家強化に向けた我々の努力を支持していることを示す。特別軍事作戦の目標は全て必ず達成されると確信している」と総括した。 一方、モスクワのあるイベントで話を聞いた会社員のビクトルさん(30)は「状況が改善してほしいという願いは常にあります。でも、選挙では私の希望はかなわなかった」と声を落とした。 こうしたギャップはどこから生じているのか。大都市と地方の違いだけではなさそうだ。…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】「母親英雄」復活と巨額の支援計画 有事下ロシアの人口対策とは関連記事