競技初めてわずか3年、久野竜太朗がアジア新でV アジアパラ陸上

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アジア大会のメイン会場となるパロマ瑞穂スタジアム=名古屋市瑞穂区で5月25日、本社ヘリから西村剛撮影 パラ陸上界の新星は地元の愛知県で金メダルを獲得したというのに、どこか不満そうだった。 陸上男子100メートル(視覚障害T12)決勝。アジアパラ初出場の久野竜太朗選手(シンプレクス・ホールディングス)はスタート直後に体一つ抜け出した。最後は石山大輝選手(トヨタ自動車)に迫られたが、逃げ切った。 タイムは10秒85。前日の予選で自ら刻んだアジア記録をさらに0秒03更新しながら、「もうちょっと(記録を)伸ばすつもりだった。悔しい」。レース後の言葉には、自信と向上心があふれ出た。Advertisement 幼少期に網膜色素変性症と診断された。症状が悪化し、日常生活に支障を感じるようになったのは、高校を卒業して社会人になってからだった。 盲学校に通い始めると、同じように視覚障害がある小さな子どもたちが、音楽やスポーツに打ち込んでいた。自分も新しい挑戦を始めようと奮い立った。 学生時代、スポーツへの関心はさほど高くなかったが、さまざまなパラスポーツに触れ、2023年から陸上を本格的に始めた。 最初に出場したレースは、日本のトップ選手から10メートル以上離されたという。人生で感じたことがない悔しさが原動力になった。 「特別なことはやっていない」と本人は語るが、競技を始めてわずか3年あまりで、眠っていた才能を一気に開花させた。 久野が所属するクラスの世界記録は10秒42で、差は決して小さくない。だが、計り知れない可能性を秘めた27歳は、2年後のロサンゼルス・パラリンピックも「勝つつもりでやります」と断言する。【川村咲平】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。