ひきこもり当事者と長年向き合ってきた精神科医の斎藤環さん=本人提供 内閣府が2022年度の調査を基に行った推計では、ひきこもりの人は全国に146万人いるとされる。中高年の割合は上昇しており、NPOの調査では40歳以上が全体の4割を占めた。ひきこもりの長期化で、80代の親が50代の子を養う「8050問題」は深刻度を増している。 内閣府は22年度調査で、40~64歳でのひきこもりの出現率を人口の2・02%としている。同年10月時点の人口推計を基に計算すると、中高年では約85万5000人となる。 中高年の割合の上昇が各種調査で明らかになっている。NPO法人「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」が昨冬に278家族を対象に実施した調査によると、40歳以上が全体の43・1%を占めた。10年前は22・8%だった。ひきこもり状態にある人の平均年齢は36・9歳で、10年前と比べて4・2歳上がった。 仙台市が23年度にひきこもり当事者がいる3325世帯から回答を得た調査でも、当事者は50代が最も多く、40、50代が35・3%を占めた。期間は「10年以上」が27・1%で最も多かった。担当者は「中高年層はひきこもり状態が長期化している場合が多い」と話す。識者「叱咤激励は逆効果」 現在の中高年層は、就職氷河期世代と重なる。ひきこもり問題に詳しい精神科医の斎藤環さんは「ひきこもりになるきっかけは、失業や退職が多い。就職氷河期で安定した雇用に結びつかなかったことが影響していると考えられる」と語る。 ひきこもり状態から抜け出るには、どのような手立てがあるのか。斎藤さんは「多くの親は将来への不安などから、本人に叱咤(しった)激励しがちだが、…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】氷河期世代男性、ひきこもり10年 メモした「戦うべきは自分」関連記事