セルビア出身のバイオリニスト、ネマニャ・ラドゥロビチさん=東京都港区で2026年7月1日、西本龍太朗撮影 無造作にウエーブがかかった長い黒髪、タイトなTシャツ姿で、二の腕にはタトゥーが見え隠れする。 クラシック音楽界のステレオタイプを打ち破る風貌と超絶技巧で、聴く人を驚かせ、魅了してきた。 セルビア生まれのバイオリニスト、ネマニャ・ラドゥロビチさんだ。 最新作の核心から批評を巡る痛快なエピソードまで、飾らない言葉は驚きと示唆に満ちている。豊かなキャラを浮き彫りに 1985年生まれ。ベオグラード芸術大学やパリ国立高等音楽院に学び、10代でジョルジュ・エネスク国際コンクール(ルーマニア)やハノーバー国際バイオリンコンクール(ドイツ)を制した。 今年、ロシアの作曲家、プロコフィエフ(1891~1953年)に焦点を当てたアルバム「プロコフィエフ」(ワーナー)をリリースした。 ラドゥロビチさんにとって「幼少期から常に私の人生と共にあった作曲家」で、軸となったのは「バイオリン協奏曲第2番」だ。 当初の計画では同じくロシアの作曲家、ショスタコービチの協奏曲とカップリングにする予定だった。 「作業を進めるうちに関心はプロコフィエフへと引き寄せられていきました」 なぜなら、その音楽があまりにも多面的であることを改めて認識したからだ。 「一枚のアルバムに多様な作品を収めることで、彼が内面に秘めていた信じられないほど豊かなキャラクターの数々を浮き彫りにしたかったのです」 協奏曲のほかに「無伴奏バイオリンソナタ」やバレエ音楽「ロメオとジュリエット」の編曲を収録し、対比を描き出した。リズムの根源的な力に目覚め 協奏曲第2番では英国のフィルハーモニア管弦楽団とその首席指揮者、フィンランド出身のサントゥ・マティアス・ロウバリさんが協演する。 ラドゥロビチさんが「私たちの時代に生きる真の天才」と評する同い年のロウバリさんは打楽器出身の指揮者だ。 「私の音楽の基盤はメロディーとハーモニーにありましたが、血の中にリズムが流れている彼と呼吸を合わせることで、リズムが持つ根源的な重要性に目覚めました」 アグレッシブなリズムはプロコフィエフを特徴付ける要素だ。 だが、それだけではない。 例えば、35年に作曲された協奏曲第2番だけ見ても、古典的な形式でありながら…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】日舞も踊れるソプラノ歌手、小林沙羅さんが「あなたへ」届ける歌関連記事