読む政治:「麻生氏も女性天皇容認だったのに」 男系男子に固執の裏側

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首相官邸に入る高市早苗首相=首相官邸で2026年10月22日午前10時32分、平田明浩撮影 高市早苗政権発足1年間を象徴する成果の一つが、7月17日成立の旧宮家出身の男系男子を皇族の養子に迎えることなどを柱とした改正皇室典範だ。養子案を「第一優先」とする自民党と日本維新の会の連立政権合意書の内容を実現し、養子の子に皇位継承資格を認める規定も盛り込まれたため、自民保守派は安定継承につながるとの見方を示す。だが当初は、皇位継承の議論は切り離すことが与野党の前提だった。転換の背景には、女性天皇の「阻止」を狙う保守層への高市氏の配慮がにじむ。【木下訓明】 「有識者会議の報告でもそうなっているが、皇統に属する男系男子に限るのが適切とされている。政府としても、私としてもこの報告を尊重する」 首相は2月27日の衆院予算委員会で、皇位継承を巡る皇室典範改正について問われ、男系男子による継承を維持する考えを示した。ただ2021年に政府の有識者会議がまとめた報告書には、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案と、旧宮家出身の男系男子を養子縁組で皇族とする案が示されているものの、皇位継承を男系男子に限るのが適切と記した部分はない。木原稔官房長官は記者会見で、報告書が養子案について「男系の男子に限ることが適切」と言及していることを踏まえたものだと釈明したが、永田町では首相の本音と受け止められた。「ちゃぶ台返し」の背景 安定的な皇位継承や皇族数確保策をめぐる議論は曲折をたどってきた。 「麻生さんは『女性天皇でもいいじゃねえか』と言っていたんですよ。それなのに……」 22年に衆参両院の各会派全体会議が設置され、有識者会議報告書が示した2案を軸に検討してきた。その裏で25年3月から6月にかけて、与野党第1党の代表者と衆院正副議長の4者が全体会議の円滑化のため非公式に協議。その場で、自民代表の麻生太郎副総裁(当時は党最高顧問)は女性天皇を容認する発言をしていた、と出席者の一人は証言する。 男系男子による皇位継承を見据える養子縁組には野党が異論を唱える一方、女性皇族の身分保持は各党からおおむね理解する姿勢が示されていた。4者協議はいったんは、女性皇族の身分保持のみを先行して実現させることで内々で合意した。 しかし、麻生氏がその直後、養子案にこだわり始め、合意をほごにする。当時の野党第1党・立憲民主党を代表して出席していた野田佳彦元首相は「ちゃぶ台返し」と批判した。麻生氏の翻意の裏には内閣官房参与で皇室制度連絡調整総括官だった…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】「烏合の衆」「節操がない」…民主改革1%、中道支持層では溝も関連記事【最新記事】