ALSを患う木嶋敏之さん。外出など移動には車椅子が欠かせない=京都市で2026年7月28日午後5時20分、井手千夏撮影 体が徐々に動かなくなる。 この疾患から逃れられないと知った。 根本的な治療法がない。 寝たきりで、移動には車椅子が欠かせなくなった。 生活を支えてくれる介助スタッフら。ある時、サポートに苦労する場面に出くわした。 役に立ちたい。ふと思った。 病気がきっかけで声も失った。 それでも彼は4年をかけ、小さな器具を完成させた。縁がないと思った病 京都市に住む木嶋敏之さん(65)。 地元の会社で働いていた2020年夏。体に異変を感じた。 歩き続けることが難しく、息苦しい。水を飲むとむせる。 病院のさまざまな診療科を回ったが、なかなか原因が分からない。 秋。神経内科で神経細胞に異常が見つかった。医師が病気の説明をしてくれたが、ピンとこなかった。 やがて、診断名を告げられた。 「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」 脳から筋肉への指令を伝える神経細胞が徐々に壊れ、全身の筋肉が衰えていく。手足だけでなく喉や舌の筋肉も弱る。 進行性の難病で根本的な治療法も見つかっていない。 自分には縁のない病気だと思っており、すぐには受け入れられなかった。「10センチ」の苦労 そんな木嶋さんに容赦なく、病状は想像以上の速さで進行していった。 車椅子を利用していた4年前のある日、入浴サービスを受けに介護施設に向かった。 その施設の入り口に、わずか10センチほどの段差があった。 ほんのわずかな高さだが、介助スタッフの女性は車椅子を押して乗り越えるのに苦労し、木嶋さんも揺れに怖さを感じた。 その時、こんな思い…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事