特権を問う毎日新聞 2026/9/25 08:01(最終更新 9/25 08:01) 1943文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷日本が主権回復を果たすサンフランシスコ講和条約調印と同じ日に日米安全保障条約(旧安保)に調印、署名する吉田茂首相。この旧安保にあわせて日米行政協定が結ばれ、のちに日米地位協定となる=1951年9月8日 毎日新聞社と映画監督の大墻(おおがき)敦氏が共同製作した長編ドキュメンタリー映画「東京上空300メートル」が10月10日からポレポレ東中野(東京都)など全国で順次公開される。東京都心で日本のヘリであれば許されない飛行をしている米軍の実態などを追った毎日新聞の調査報道「特権を問う」をベースに、約2年にわたり新たな取材などを重ねて完成した。1960年の締結以来、一度も改定されていない日米地位協定が生み出している状況に光をあて、「日米同盟」の名の下、放置されてきた問題を問い直す。 「東京上空300メートル」公開直前企画オンライントークイベント「日米地位協定 司法と沖縄の現場から考える」が10月7日に開かれます。お申し込みはこちらから。 日米地位協定は、在日米軍が日本国内で円滑に活動できるようにするため特別な権利を定めたものだ。 日米安全保障条約が現行の形に改定された1960年に締結された。さまざまな問題が指摘され、沖縄県や全国知事会などが見直しを求めてきたが、これまで一度も改定されていない。Advertisement 協定は全28条。2条で日本国内の基地使用を米側に認め、3条は基地内の管理・運営などのために「(米側が)必要なすべての措置を執ることができる」と定める。基地返還時に米軍が原状回復義務を負わない▽米軍人は出入国管理法の適用から除外され旅券や査証(ビザ)なしで日本に出入りできる▽米軍関係者による公務中の事件や事故は米側が第1次裁判権をもつ――といった規定もある。映画「東京上空300メートル」のポスター=(C)2026 大墻敦・毎日新聞社条文では見えない「全容」 ただし、こうした条文だけでは、日米間の取り決めの全容は見えない。 2004年に沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)で米軍機が墜落した際、米側が現場を封鎖し、警察や行政関係者を立ち入らせなかった。17条は、基地の外で起きた事故などに対する米軍側の警察権行使について「必ず日本の当局との取り決めに従うことを条件とし、かつ当局と連絡して使用される」と定める。この通りなら、米側が事故現場を一方的に仕切るような事態はなかったはずだ。 だが、17条の規定は地位協定ができた際に作られた合意議事録で骨抜きにされている。米軍の財産について「(日本側は)所在地のいかんを問わず、捜索、差し押さえ、または検証を行う権利を行使しない」と定めるためだ。墜落した機体は米軍の財産であり、日本側は実質的な捜査ができないことになる。 ほかにも、地位協定の運用を話し合う「日米合同委員会」で結ばれた取り決めもある。協議内容は非公開で、事後検証が難しい問題が指摘されている。東京都心にある高さ約270メートルのビルより低く飛ぶ米軍ヘリ「ブラックホーク」。この動画は映画「東京上空300メートル」でも用いられた=都内で2020年8月18日、加藤隆寛撮影(写真は動画から)「特権を問う」が追った実態 「特権を問う」の報道は日米地位協定締結から60年となる2020年に始まった。米軍基地の集中する沖縄県で取材してきた記者が発案し、東京、大阪、西部の各本社から20人を超えるメンバーが参加した。 初報は20年2月28日朝刊。米軍関係者が日本で事件や事故を起こしても、日本の裁判が終わるまで米軍が身柄を勾留できるよう日米両政府が密約を交わしていたことを示す1960年代の米公文書が見つかったことだった。信夫(しのぶ)隆司・日大教授(現・名誉教授)への取材を基に記事にした。 その後も米軍関係者による事件・事故や、騒音をはじめ基地に起因する問題を伝えた。米側が管制を担う「横田空域」を一部通過する羽田空港の新ルートを実現させるため、日本政府が米側に働き掛けた交渉がまとまった後、「貸し借り」のようにして米軍三沢基地の臨時訓練空域が拡大した疑惑もスクープした。 米軍ヘリの低空飛行を追いかけた取材は、東京・六本木の米軍施設「赤坂プレスセンター」にあるヘリポートで問題のある離着陸をしているとの情報を聞いたことから始まった。 政府や米軍に問題を受け止めてもらうには動かぬ証拠を示すしかない――。そうした狙いで始めた撮影は20年7月から21年1月にかけて計90日に及んだ。 確認できたのは、米陸軍ヘリ「ブラックホーク」が新宿などで日本のヘリであれば違法で認められない低空飛行をしたり、米海軍ヘリ「シーホーク」が六本木のヘリポートを起点にタッチ・アンド・ゴーと呼ばれる離着陸訓練のような飛行をしたりする実態だ。 こうした内容を報じた後も、首都圏に取材エリアを広げ、航空機の位置情報を示すサイトや空撮などを駆使しながら米軍の大型輸送機「C130J(スーパーハーキュリーズ)」をはじめとした飛行実態を明らかにした。 このほかにも、赤坂プレスセンターの歴史をたどる連載を展開。高層ビルが増加する都心での飛行リスクも問題提起している。 一連の報道は21年度の新聞労連ジャーナリズム大賞を受賞。証拠となる映像を撮りためたことは今回の映画作りにつながった。【前の記事】映画「東京上空300メートル」10月10日公開 米軍ヘリ実態追う関連記事【最新記事】あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>