深掘り2026年9月27日 11時00分有料記事塩原賢登山開始前に山頂に向けて撮った写真=2025年5月13日、北穂高岳、伊藤幸都美さん提供 北アルプスの北穂高岳で昨年5月、登山中の男性が雪崩に巻き込まれて死亡する事故があった。雪崩は山スキーに誘発されて起きたとして、長野県警は、スキーヤーの男性を重過失致死の疑いで長野地検松本支部に書類送検した。雪崩事故でスキーヤーが刑事手続きの対象となるのは珍しいといい、検察が起訴するかどうかが焦点となる。 捜査関係者によると、スキーヤーの男性は昨年5月13日午前11時ごろ、北穂高岳の北穂沢(標高約2750メートル)付近で、バックカントリースキーで滑走中に雪崩を誘発し、登山中だった山梨県北杜市の伊藤勝さん(当時62)を死亡させた疑いがある。 伊藤さんと一緒に登っていた妻の幸都美(さとみ)さん(62)も軽傷を負い、県警松本署に被害届を提出していた。 重過失致死罪は、容易に事故が予見できたのに回避する措置を執らない重大な過失によって人を死亡させる罪。捜査関係者によると、スキーヤーは山小屋の関係者といい、雪崩が発生しそうな状況やスキーと雪崩の関係について知識があったと判断したという。今年の3月13日付で書類送検した。 雪崩を巡っては、栃木県那須町で2017年に高校の山岳部員7人と教諭1人が死亡し、引率した教諭3人が業務上過失致死傷罪に問われた事故(有罪判決を受け、被告側が最高裁に上告中)などがある。 山の事故に詳しい溝手康史弁護士によると、こうした事故で刑事責任を問われたのは引率者やガイドら。今回のように、第三者の登山者に対する事故で刑事手続きの対象となるのは珍しく、雪崩事故でスキーヤーの過失が問われるとすれば「聞いたことがない」という。 溝手弁護士は「スキーヤーが、スキーをすることで事故が発生することを予見できたかや、スキーヤーと登山者との位置関係などが過失判断の焦点になる」と指摘する。「うそっ」と叫ぶ夫、直後に雪崩 幸都美さんが当時の状況を取材に語った。雪崩に遭った状況を話す伊藤幸都美さん この日の登山開始は午前7時ごろ。登山コースにはほかの登山者が見え「私たちが一番最後だったと思う」。ほかの登山者の足跡に沿って2人は登っていったという。 午前11時前、雪崩に遭った北穂沢の平らな場所で、給水のため休憩することに。勝さんは山側を向いて、幸都美さんは谷側を向いて腰を下ろした。 5分ほどして、小さな雪の塊…【この記事の続きが読める】有料記事が読み放題のスタンダードコースが初回1カ月無料!詳しくはこちら宅配紙面の購読者なら、ダブルコース半年割がお得です。詳しくはこちら関連トピック・ジャンルこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ9月27日 (日)11歳が「ぷよぷよ」で金メダル女性外科医 ロボ手術に格差火災警報器、義務化から20年9月26日 (土)米中首脳が会談未成年の選挙運動禁止は違憲未払いの53億円支払いへ9月25日 (金)東京都の中古マンション下落「原発回帰」欧州で加速国連安保理にAI規制求める9月24日 (木)日米首脳が会談女性の高学歴 出産と関係薄くニセの「金」を質入れトップニューストップページへ米中が「同盟国」とそろって明記 歩み寄りの影でくすぶる不満と火種22:40車いすパラメダリストの上与那原さん死去、練習中に交通事故10:22福岡や熊本などに線状降水帯直前予測 台風は29日にかけ沖縄に接近11:00アンガールズ山根さんが考えるAI時代の言語学習 娘は小2で豪留学5:00スキーで雪崩、過失は? 登山者死亡で書類送検 予見可能性など焦点11:00「性欲が抑えられない」60歳夫の葛藤 妻の本心、気づかぬふりした15:00