朝日新聞記事2026年9月24日 15時00分島崎周エホバの証人の日本支部=神奈川県海老名市 輸血を原則拒否する教義で知られるキリスト教系新宗教「エホバの証人」が、必要な成分を輸血する「成分輸血」を容認する方針を明らかにした。過去には輸血拒否で信者やその家族が死亡する事案などがあり、「教理の抜本的な変更」という見方の一方、過去の問題の責任を問う声もある。 エホバの証人は米ニューヨークに本部を置き、教団によると、信者は920万人以上。日本では1953年に宗教法人「ものみの塔聖書冊子協会」として認証された。 教団は「血を避け(なさい)」という聖書の教えに基づき、基本的に輸血を受けないという立場をとってきた。 今回の方針は18日に教団本部がホームページで公表。赤血球、白血球、血漿(けっしょう)、血小板の四つの成分の輸血は、信者の自己判断で認めるとした。また、他人に血液の成分を提供するための献血も個人の判断で認める。 「医学の進歩に伴い、医療が関係する場面で、聖書の教えにどう従えるか、疑問がたくさん出てきた」と説明した。一方、血液中の全成分を採血し、保存液を加えた全血製剤の使用は引き続き認めない。エホバの証人日本支部「聖書に基づく調整」 エホバの証人日本支部は取材に「『血を避ける』ようにという基本的な命令に変わりはなく、聖書に基づく調整であり、方針転換ではない。個人の良心と意思決定を尊重するためのもの」と答えた。 輸血拒否をめぐっては、国が2022年末に公表したガイドラインの中で、医師が必要と判断した輸血などの医療行為を保護者が子に受けさせない場合、ネグレクトや心理的虐待にあたるとの見解を示している。 「エホバの証人問題支援弁護団」が2023年に実施したアンケートによると、信者を親に持つ2世ら回答者581人の8割以上が、輸血拒否カードか身元証明書(親が子どもに輸血を望まない旨の記載がある書類)を持っていたことが「ある」と答えていた。 同弁護団は、教団の今回の方針について「中核的な教理の大幅かつ抜本的な変更と評価できる」とする一方、「指摘されてきた問題が解決されたわけではない」と指摘。輸血拒否で死亡したり、重篤な障害が残ったりした信者や家族、輸血を受け入れたことで信者である家族らとの関係を断絶させられるなどした元信者への責任をとる必要があるとした。 また、エホバの証人の2世として育てられた人らでつくる「JW児童虐待被害アーカイブ」も声明を発表。「成分輸血を制限された結果、適切な医療を受けることができず被害に遭った子どもや若者に対する公式な謝罪や総括が示されていない」などとして過去の問題についての検証や被害者への説明責任を果たすことなどを求めている。【この記事の続きが読める】有料記事が読み放題のスタンダードコースが初回1カ月無料!詳しくはこちら宅配紙面の購読者なら、ダブルコース半年割がお得です。詳しくはこちらこの記事を書いた人島崎周東京社会部|調査報道担当専門・関心分野性暴力、性教育、被害と加害、宗教、人権関連トピック・ジャンル関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ9月24日 (木)日米首脳が会談女性の高学歴 出産と関係薄くニセの「金」を質入れ9月23日 (水)千葉・神奈川 土砂崩れ相次ぐクマ撃退スプレー 要件を公表汚染食品 世界で152万人死亡9月22日 (火)台風25号 関東に接近マダニ感染症 広がる感染地域88歳 堀江さん、太平洋横断へ9月21日 (月)65歳以上が総人口の29.6%に長寿の親持つ人は長生き傾向スガキヤ、20年ぶり関東へトップニューストップページへ千葉で鉄道寸断・停電続く「作業員たどりつけない」 残る台風の傷痕15:30オープンAI、豪政府サイトに不正アクセス 首相は「深刻な懸念」11:08習近平氏はなぜいま訪米? 米中首脳会談「第2ラウンド」六つの要点12:00エホバの証人、成分輸血を容認 過去の輸血拒否問題の責任問う声も15:00アイドルグループ「WEST.」活動終了へ STARTO社が発表14:15寝袋で休む選手に「大丈夫ですか」 世界陸上で見た愛子さまの気遣い13:00