真珠島に響くエンジン音 海に潜る直前、異変に気づき海女らは救助へ

Wait 5 sec.

2026年9月25日 13時00分安田琢典海中に転落した漁師を救助した汽船いそぶえの山口翔斗船長(右)と海女頭の長谷川奈美さん=2026年9月16日、三重県鳥羽市鳥羽1丁目、安田琢典撮影 夏休みのある日、ミキモト真珠島(三重県鳥羽市)で名物行事「海女の実演」の開始を告げる放送が観客席に鳴り響いた直後のことだった。船は観客席の前で待機しているのに、なぜか海女たちは海中に飛び込まない。船はそのまま、後方の海域へと急行した。 実演が始まる8月6日午前11時半ごろ、「いそぶえ」船長の山口翔斗さん(26)が異変に気づいた。真珠島東側の桟橋から3人の海女を乗せて出船し、海女を海へおろす準備中だった。船の後方、約150メートルの海域から大きなエンジン音が聞こえてきた。 山口さんが振り返ると、船首を水面に出し、激しく旋回する1隻の小型漁船があった。 近くには投げ出された男性漁師の姿。「スクリューに巻き込まれれば命を落としかねない」。山口さんは、海女を船に乗せたまま救助に向かった。 船内にいた「海女頭」の長谷川奈美さん(55)は冷静だった。遠くから見る限り、男性の泳ぎはうまそうだった。ただ、パニックを起こしてもおかしくない状況だっただけに、「万が一のときは心臓マッサージを施そう」と考えた。漁船が流木に接触、漁師は転落 鳥羽海上保安部によると、小型漁船は航行中に流木と接触し、反動で男性が海に投げ出されたという。男性は現場に駆けつけた海女船まで泳ぎ、船体横の段差をつたって乗り込んだ。男性にけがはなかった。 5分後。救助を終えた船は、真珠島の2階建ての観客席の前に戻り、予定されていた実演を披露した。 1日7回、昔ながらの磯着に身を包んだ観光海女が、観光客の前で素潜りを披露する「海女の実演」。この日も国内外から100人近い観客に潜水技術を見せた。 だが、この日、海女と船長が示した行動は、とっさの判断と連携によって命を守る「海の仕事」そのものだった。 事故があった場所は漁船のほか、伊勢湾フェリーや貨物船などが数多く行き交う海域だという。同保安部は9月10日、山口さんと長谷川さんに加え、ともに海女船に乗っていた平川恵史子さん(58)と蜂谷泰葉さん(33)の計4人に感謝状を贈った。 ミキモト真珠島によると、観光海女や船長が人命救助したことは過去に例がないといい、山口さんと長谷川さんは「初めての経験だが冷静に対応できたと思う。男性が無事で何よりだった」と口をそろえた。【この記事の続きが読める】有料記事が読み放題のスタンダードコースが初回1カ月無料!詳しくはこちら宅配紙面の購読者なら、ダブルコース半年割がお得です。詳しくはこちらこの記事を書いた人安田琢典津総局専門・関心分野農林水産業・中小零細企業関連トピック・ジャンルこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ9月25日 (金)東京都の中古マンション下落「原発回帰」欧州で加速国連安保理にAI規制求める9月24日 (木)日米首脳が会談女性の高学歴 出産と関係薄くニセの「金」を質入れ9月23日 (水)千葉・神奈川 土砂崩れ相次ぐクマ撃退スプレー 要件を公表汚染食品 世界で152万人死亡9月22日 (火)台風25号 関東に接近マダニ感染症 広がる感染地域88歳 堀江さん、太平洋横断へトップニューストップページへトランプ氏、第2次大戦時に中国と「同盟国」異例発言 歓迎式典で11:00全東信破産で「消えた売上金」、カード会社が53億円を全額支払いへ10:26家に帰ってもネットで続く人づきあい 専門家が見る子どもたちの現状7:00「原爆の日」サイレンうるさい? 取りやめ、一転「終戦の日」は実施12:00翌年も同じ宴会場で議長祝賀パーティー 福岡県幹部の互助会からも金6:00「認められた」プロゲーマーの道 スポンサー、固定給、配信収入も10:01