「行政の介入で人生破壊も」精神科医が語る成年後見制度の問題点

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朝日新聞連載ルポ 成年後見記事インタビュー2026年6月29日 7時00分有料記事聞き手=編集委員・森下香枝都立松沢病院元院長で精神科医の斎藤正彦さん だれもが認知症になりうる時代。成年後見制度は、判断力が低下した高齢者らが安心して暮らせるよう金銭管理などをサポートする制度だ。だが、その運用をめぐって行政と家族らがトラブルになるケースが後を絶たない。その背景や対策について、制度運用に詳しい斎藤正彦医師(精神科、元松沢病院院長)に聞いた。「経済的虐待」と引き離された夫妻――本人や家族に代わって自治体の長が後見開始を申し立てる「首長申し立て」の件数が過去最多となり、同時に家族とのトラブルも相次いでいます。 そうした事例を見聞きします。私が知っているのは、パーキンソン病の夫と、それを支えていた妻のケースです。2人は月15万~20万円ほどの年金収入で、つつましくも自立して暮らしていました。ところが夫を担当していたケアマネジャーが介護サービスの追加を提案し、妻が「これ以上の介護保険料やサービス費は払えない」と断りました。するとケアマネジャーは「経済的虐待」として区に通報したのです。通報を受けた区は十分な調査もなく「虐待」の嫌疑をかけ、妻から預金通帳を取りあげました。その後、行政は夫に後見人をつけ、夫と妻を引き離しました。 後見人は夫を施設に入れ、生活できなくなった妻も別の施設に送られました。長年連れ添った夫婦は、お互いがどこにいるのかも知らされないまま、引き離されてしまいました。行政の介入が、結果として1組の夫婦の人生を破壊したのです。――首長申し立てとともに、高齢者の虐待通報の件数も増えています。身に覚えがないのに「虐待者」と疑われた家族が、親と引き離されるケースも取材しました。 通報で「虐待者」とレッテルを貼られた家族は、本当に虐待があったのか、あったとすれば何が原因で、どうすれば解消できるのか、弁明や救済の場をほとんど与えられないまま引き離され、死ぬまで会えないという悲惨なケースもあります。 行政からすると、高齢者虐待防止法に基づく「措置入所」で本人を強制的に家族から引き離して施設に入れ、首長申し立てで後見人を立てれば、死ぬまで家族に会わせなかったとしても、それは「本人の自己決定の代理権者」である後見人の判断となり、行政は法的責任を問われません。四半世紀ぶりに今国会で改正された成年後見制度にも問題が山積していると斎藤さんは指摘します。その「死角」とは?■民法上の権利をほぼ奪う「後…この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録この記事を書いた人森下香枝編集委員|ここからTIMES編集長専門・関心分野終活、中高年のセカンドライフ、事件など関連トピック・ジャンル関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月29日 (月)美輪明宏さん91歳で死去ひょうの被害が急増中ダニ予防、夏場までが肝心6月28日 (日)米軍、イランの拠点など攻撃列車とクマ衝突 過去最多夏の弁当、食中毒から守れ6月27日 (土)日本代表、次戦はブラジル養子の子 男子は皇位継承資格タクシー、軽自動車もOK6月26日 (金)三陸沖で地震 今後も警戒きょう、スウェーデン戦NHK受信料 相次ぐ契約漏れトップニューストップページへ「絶望抑えられない」 死者1千人超のベネズエラ地震 現地から報告5:00プーチン氏、ガソリン不足に危機感か 各地に車列、在宅勤務の推奨も7:18八田與一容疑者の行方追う、遺族の4年 「すぐ捕まると思っていた」6:00早期敗退で韓国大統領が洪明甫監督を批判 荒れるSNS、殺害予告も5:00【写真まとめ】知られざる美輪明宏さん 専属写真家がとらえた表情7:00家族湯で5歳児不明、母親が心境語る 「早く連れて帰ってあげたい」21:30