深掘り2026年6月28日 9時00分有料記事浅倉拓也鈴木江理子さんのコメント神戸市立海外移住と文化の交流センターに展示されている、南米への日本人移民を募集するポスター=2026年5月26日、神戸市中央区、浅倉拓也撮影祖父が南米に旅だった神戸に 神戸港から山へ延びる一本道の突き当たりに、古いビルがある。98年前に「国立移民収容所」として建てられた。 「移民」と言っても外国人ではない。働き口を求めて海外へ行く日本人が、出港の準備をするための施設だ。海外移住と文化の交流センター。国立移民収容所として建てられ、1971年の閉鎖までに、多くの日本人移民がここに一時滞在し、南米などへ向かった=2019年11月、神戸市中央区、玉置太郎撮影 大城ロクサナさんの祖父も戦前、ここから南米ペルーに渡った。やがて、経済大国になった日本は、労働者不足を補うため、今度は海外から日系人を迎え入れるようになった。1991年、大城さんは警察官だった夫と、あこがれていた祖父の国に来た。日本にいてほしくない? それから35年。神戸で2人の子どもを育て、マイホームも持った。日本語は不自由しなくなった。だが「日本で暮らしてきて、いまが一番不安」だという。 昨年の参院選で「日本人ファースト」という言葉が広まり、与党や政府は次々と外国人に厳しい政策を打ち出すようになった。5月末に国会で入管難民法が改正され、在留資格の更新などにかかる手数料が大幅に値上げされることになった。「外国人は日本にいてほしくない」というメッセージだと感じている。 もちろん、来日間もない頃も不安だらけだった。ペルーから来日して間もない頃の大城ロクサナさん(左)=本人提供医師の言葉が分からない 日本語が分からない中で、初めての出産は恐怖だった。医師の話すことが、まったく理解できなかった。インターネットはまだ普及しておらず、通訳ボランティアもいなかった。不安のあまり、ペルーに一時帰国して長男を出産した。 その数カ月後、阪神・淡路大震災に見舞われた。神戸の下町にある木造アパートの自宅から、かろうじてはい出た。 パトカーが何か言っていたが、分からなかった。駅前に集まっていた人たちは、いつの間にかいなくなっていた。夫と途方に暮れていると、1人の男性が身ぶりで、避難所の中学校に案内してくれた。 「外国人はもらえないかも」と、救援物資の列には怖くて並べなかった。ただ、ボランティアの人は、いつも食べ物を持ってきてくれた。お金がかかる外国人は、だめですか 山梨、群馬両県で数カ月ずつ働き、神戸に移り住んだ時は、「外国人でもじろじろと見られることがなくて、大好きになった」。 いまは、すれ違う日本人たち…この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録この記事を書いた人浅倉拓也大阪社会部専門・関心分野移民、難民、外国人労働者関連トピック・ジャンルこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月28日 (日)米軍、イランの拠点など攻撃列車とクマ衝突 過去最多夏の弁当、食中毒から守れ6月27日 (土)日本代表、次戦はブラジル養子の子 男子は皇位継承資格タクシー、軽自動車もOK6月26日 (金)三陸沖で地震 今後も警戒きょう、スウェーデン戦NHK受信料 相次ぐ契約漏れ6月25日 (木)中国で日本人2人拘束EU離脱、57%が「誤り」性被害訴える検事ら署名トップニューストップページへ米イラン再び攻撃の応酬、背景にホルムズ海峡の主導権 双方ジレンマ19:39「AIに全賭け」ソフトバンクG 孫正義氏が描く超知性時代の戦略は7:00県境が隔てた最低賃金の差80円 適用半年遅れ、コンビニ店長の疑問8:00森保ジャパンの行方を占うブラジル戦 代表監督は誰が、どう決める?6:00サイ・ヤング賞仕様? 進化した大谷翔平の投球フォーム、その意味は6:30「自分はだれを頼れるか」 血縁の有無ではない現代の身寄りなし問題6:00