人手不足続く障害者福祉、人手奪い合いでも切り捨てない社会築くには

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朝日新聞連載8がけ社会記事現場から2026年6月27日 9時00分有料記事中山直樹柏原絵美さん(右)と母眞弓さん=2026年3月10日午後4時31分、茨城県つくば市、中山直樹撮影 長時間の介助を受けて生活をする重度障害者にとって、ヘルパーの不足は命に直結する。だが、「働き手」とされる生産年齢人口(15~64歳人口)が今の8割になる「8がけ社会」では、業界をまたいだ人手の奪い合いが強まり、その波は、福祉の分野にも及ばざるを得ない。すでに厳しい現実に直面するケアの現場をどう守ればいいのか。構造的な人手不足「生きることを諦める社会になって欲しくない」 「体勢、きつくない?」 茨城県つくば市の自宅兼訪問介護事業所で、柏原絵美さん(38)は母の眞弓さん(73)に声をかけた。寝たきりで発話ができない眞弓さんの気持ちを、目の動きや雰囲気で読み取る。 眞弓さんが全身の筋肉が衰えていく難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された時、柏原さんは大学生だった。その3年後、24時間介助が必要となった。 当時、近くの事業所から派遣されるヘルパーだけでは埋まらない時間は、柏原さんや父、姉が介助に入った。 しだいに疲弊する家族。日替わりで来るヘルパーとの信頼関係もうまく築けず、いら立ちを抱え込むことも増えた。 ヘルパーの派遣を待つのではなく、自分たちで母を支える「チーム」を作ろう。24時間介助となって2年後の2013年7月、介護事業所を父と立ち上げた。そこでも直面したのが人手不足だった。求人募集をしてもヘルパーは集まらない。知り合いのつてを頼り、何とかかき集めた。柏原絵美さんと母・眞弓さん=2026年3月10日午後4時35分、茨城県つくば市 ALS患者らが利用する「重度訪問介護」制度は、障害者が施設や家族介護から自立し、自宅や地域で暮らすことを支援するため、ヘルパー派遣を公的に支えるもので、06年に始まった。制度の創設だけでなく、その後の改善も含めて、当事者や支援者が長い時間、声を上げ続けて実現させた。 制度を活用し、柏原さんの事業所では現在、約40人のヘルパーが働く。ALS患者をはじめ30人以上の利用者を抱えるが、人手不足の懸念は尽きない。 常に気が抜けない介助の仕事は「大変そうだ」というイメージが強い。報酬は国によって決められ、賃金は他の業種に比べて低い上に、事業者の努力では上げづらい。必然的に、業界内で少ない担い手の奪い合いが起きる。 「8がけ社会」を待つまでもなく、この10年間ずっと人手不足だったと振り返る柏原さんは「業界として構造的な問題がある」と指摘する。あらゆる業界で、さらに人手が足りなくなれば、障害者介助の現場では何が起きるのか。柏原さんは、じっと考え込んだ後につぶやいた。 「『ヘルパーがいない』と事業所をたらい回しにされた末に、自宅で暮らすことを諦める人、さらには呼吸器をつけること、つまりは生きることを諦める人が増えるのではないか。それを見て見ぬふりをする社会になってほしくない」遠ざけるのではなく向き合うことで生まれるパワー 長時間の介助が必要な重度障…この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録この記事を書いた人中山直樹ネットワーク報道本部|都庁担当専門・関心分野人権問題、災害、人口減関連トピック・ジャンル関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月27日 (土)日本代表、次戦はブラジル養子の子 男子は皇位継承資格タクシー、軽自動車もOK6月26日 (金)三陸沖で地震 今後も警戒きょう、スウェーデン戦NHK受信料 相次ぐ契約漏れ6月25日 (木)中国で日本人2人拘束EU離脱、57%が「誤り」性被害訴える検事ら署名6月24日 (水)中学生が「平和の詩」朗読自民裏金 元議員に有罪判決旧統一教会の解散命令が確定トップニューストップページへ台風7号、夜にかけ四国~関東甲信へ接近 台風8号は茨城沖へ抜ける9:29米軍、イランのミサイル拠点など攻撃 イランの商船攻撃に反撃と主張8:53富士河口湖町で震度6弱 山梨、神奈川、静岡で10人軽傷9:09北京中心部の高層ビルに小型機が衝突か 周辺は規制、多数の警官配置1:24長友投入に見る森保采配の妙 1次リーグ無敗突破、次は王国ブラジル17:13サッカー強豪・清水東に「寺子屋」 高校・中学受験と両立めざす試み5:00