シクラメン「生命の設計図」を世界初の解読 埼玉工大など

Wait 5 sec.

毎日新聞 2026/10/13 10:31(最終更新 10/13 10:31) 1415文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷シクラメンの鉢を前に、ゲノム解析の意義を解説する秋田祐介・埼玉工業大教授=埼玉県深谷市で2026年10月10日午後2時29分、隈元浩彦撮影 冬の窓辺を彩るシクラメン。その命を形づくる「設計図」のほぼ全容が、ついに解き明かされた。埼玉工業大(深谷市)工学部生命環境化学科の秋田祐介教授(47)ら4機関の共同研究チームが、園芸品種のルーツに当たる原種の遺伝情報(ゲノム)を世界で初めて高精度に解読することに成功した。花の色や形、香りなどの秘密に迫り、新たな品種の開発や植物の進化の解明にも道を開く成果として期待されている。【隈元浩彦】 埼玉工大のほか、かずさDNA研究所(千葉県)、九州大(福岡市)、香川大(高松市)が参加した。不思議が多いシクラメン ゲノムは生物が持つ遺伝情報の総体。今回、研究チームが解読したのは、現在の園芸品種のルーツに当たる原種「シクラメン・ペルシカム」。約14億8000万塩基対に及ぶゲノムを解読し、解析の完全性を示す指標は98・1%に達した。研究成果は国際学術誌「DNAリサーチ」に掲載された。Advertisement 共同研究を呼びかけた秋田教授は、放射線を利用してシクラメンの香りを残しながら花色を変える研究などに携わった。2013年に埼玉工大に着任し、研究を続けてきた。 シクラメンには不思議が多いという。昭和歌謡の名曲「シクラメンのかほり」(1975年)の影響で、昭和時代からかぐわしい香りで知られていたと思われがちだが、当時の園芸品種は香りが弱く、ほこりに近い匂いにもたとえられた。 今日のような香りを発するようになったのは、埼玉県園芸試験場(現・県農業技術研究センター)が96年に世界で初めて、野生種の芳香を取り入れ、種子で増殖できる2系統の育成に成功したのがきっかけだった。 それ以上に秋田教授の関心を引いたのは、植物としての特性だ。花は下向きに咲きながら、花びらが上に反り返る。花びらの一部だけ濃く色づく独特の模様もある。「なぜ、こんな形になるのか。なぜ、そこだけ色がつくのか」。研究を支えてきたのは、そんな素朴な疑問だった。 だが、シクラメンのゲノムは大きく複雑で、研究の基礎となる高精度な情報が整っていなかった。遺伝子を調べるにも、近縁の植物の情報を頼りに、一つ一つ候補を探すしかなかった。「手探りで時間がかかっていた」と振り返る。 解析技術の進歩を受け、秋田教授は2023年、香川大、九州大の研究者に呼びかけ、共同研究をスタートさせた。香川大が保有するシクラメンをゲノム解読の材料に選び、埼玉工大では遺伝子の推定に必要な試料を準備するなど、役割を分担した。データの精査や追加分析を重ね、今回の成果に結びつけた。より香り豊かな品種開発に期待 解読によって、シクラメン特有の遺伝子群や、サクラソウ科に共通する遺伝子群も見つかった。 シクラメンは世界的に人気の高い観賞用の鉢花で、市場でも主要な品目の一つ。今回の成果で花の色や香り、病気や寒さへの強さなどに関わる遺伝子の解明が進み、香りのより豊かな品種や、寒さに強く地植えでも楽しめる品種などの開発につながると期待される。 一方、秋田教授が学術的に強い関心を寄せるのは、植物の進化の謎だ。シクラメンとサクラソウは、見た目が大きく異なるのに同じ科に分類される。「どうしてシクラメンはあのような花の形になったのか」。ゲノムを手がかりに進化の道筋を探りたいという。 「分かりやすいのは新品種の開発ですが、学術的には植物の進化を探る方が興味深いです」。生命の設計図を手に、シクラメンの謎への挑戦は続く。Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事あわせて読みたいAdvertisement1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>