同じ被害、自分は「対象外」? 断種手術した102歳が国に補償申請

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朝日新聞連載ハンセン病 残された記憶 埋もれた記録記事2026年5月28日 5時00分田辺拓也新居のカーテンを開ける北野貞晴さん=2025年12月9日午後、大阪市内、田辺拓也撮影 国立ハンセン病療養所で強制不妊手術を受けた大阪市の男性(102)が今年5月、旧優生保護法の補償金支給法に基づく補償を国に申請した。 男性が受けた断種の手術は、強制不妊手術による人権侵害を招いた旧優生保護法が施行される前年の1947年だった。 そのため、補償の対象外になる可能性がある。 同じ被害でも線引きによって補償されない被害者救済の問題が浮かび上がる。 男性はハンセン病回復者の北野貞晴さん。 戦前から続く国による強制隔離政策の下、44年、群馬県の国立ハンセン病療養所「栗生楽泉園」に収容された。 北野さんに開示された園の文書によると、断種手術日は北野さんが23歳だった47年6月26日。 基本的人権の尊重を掲げた日本国憲法が施行されて約1カ月後のことだ。 「不良な子孫の出生防止」を目的とする旧優生保護法(48~96年)により、遺伝性疾患がある人やハンセン病患者らに優生手術と呼ばれる断種や人工妊娠中絶(堕胎)が行われた。認められないかも それでも補償を申請した 違憲とされた旧優生保護法の被害者らに最大1500万円の補償金が支払われる補償金支給法が2025年1月に施行された。 故郷の大阪府に戻った北野さんは26年5月、府を通してこども家庭庁に補償を申請した。 全国各地にあった国立ハンセン病療養所では、断種を条件に患者同士の結婚を認める運用を行っていた。 北野さんは陳述書で、園から結婚を許可する条件として断種手術を求められた事情を明記した。 「子どもは欲しかった」という当時の心境を記した上で、「結婚する時、手術以外の選択肢はありませんでした」などと断種が強制された経緯を詳述している。 こども家庭庁母子保健課は「旧優生保護法の制定後に優生手術を受けた方が補償対象となる。それ以前の手術は対象にならない」という見解だ。 補償が認められない場合、北野さんの被害を現行制度で救済する手段は実質ない。 高齢の北野さんにとって国を相手に新たな訴訟などを行うことは困難だ。 北野さんは「補償金が目的じゃない。同じ被害なのに法律で切り捨てられている」と話す。 国立ハンセン病療養所では、旧優生保護法の施行以前から法的根拠のない断種が横行していた。 05年に国の第三者機関「ハンセン病問題検証会議」がまとめた最終報告書によると、少なくとも法施行以前の1915~39年、各地の国立療養所で実施された計1003例の断種手術が確認されている。この記事を書いた人田辺拓也映像報道部専門・関心分野ハンセン病、写真関連トピック・ジャンル関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ5月28日 (木)国家情報会議の新設法が成立給付付き税額控除、大枠判明フェルメール展、大阪開催へ5月27日 (水)巨人・阿部慎之助監督が辞任ローマ教皇、AIの指針発表国内最悪の汚染 処理完了へ5月26日 (火)コンビニ「生みの親」死去ホルムズ通過、出光丸が到着目線ずれる「内斜視」増加5月25日 (月)カンヌ 岡本多緒さんに女優賞郵便料金の値上げ検討GW中の山岳遭難、147件トップニューストップページへ中道・小川氏、公明の先行合流「あり得る」 立憲は「腰引けている」21:29再審法案、検察抗告に「抜け穴」 法務省、自民の事前審査で説明せず22:18給付付き税額控除、誰にいくら給付する? 各試算で見えるイメージは19:07「検察なめんな」取り調べで暴言疑いの特捜検事、無罪主張の方針21:37万博と政権入りが転機に 大阪都構想、3回目の住民投票へ議論号砲22:00ラオスの洞窟に1週間、5人生存 かつてタイで活躍した救助隊が確認23:00