朝日新聞記事深掘り2026年5月30日 11時00分宮廻潤子 皇室の方々の護衛や、皇居や各地の御用邸の警備を担う皇宮警察が、今年5月に創設140周年を迎えた。「貴重な経験を次の世代にも伝えたい」。代替わりにともなう、7年前の即位パレードの場を踏んだ護衛官は後輩たちへの指導に励んでいる。 皇宮警察本部は、1886年に当時の宮内省に「皇宮警察署」として設置されたのが始まり。現在は約900人が所属し、皇居や赤坂御用地のほか、京都御所や葉山御用邸(神奈川県)といった施設の警護や、皇室の方々が公務などで外出する際の護衛にあたる。 2019年11月10日、天皇陛下の即位に伴うパレード「祝賀御列の儀」が行われた。天皇、皇后両陛下は皇居から当時の住まいだった赤坂御所まで約4.6キロをオープンカーに乗って沿道の人たちに手を振り、皇后さまは歓声にこたえる中で、涙目になり、手で涙をぬぐう場面もあった。青山通りを進む「祝賀御列の儀」の車列。天皇、皇后両陛下のオープンカーを、皇宮警察の側車(サイドカー)つきオートバイで警護した=2019年11月10日、東京都港区、代表撮影車の後方5メートルの位置で 両陛下の車から左後方約5メートルの側車にいたのが護衛第1課側衛官の広瀬英諭さん(38)だ。「前後左右はもちろん、近年はドローンによる危険もあるため、頭上にも注意を払っていました」と振り返る。 皇宮警察の140年の歴史の中で、代替わりは大正、昭和、平成、そして令和の4回。大きな節目に立ち会うことなり、広瀬さんは「護衛の仕事に軽重はない」としつつ、「世間の注目度や関心度は高く、緊張感をもって挑んだ」という。 パレードでの護衛は、高い技術が求められる。ゆっくりとした速度で隊列を崩さず走るだけでも、相当な訓練が必要で、約30分のパレードを無事に終えるため、通勤時に何度か気になる場所を下見したという。爆竹や火炎瓶が投げ込まれた事件も 1990年の平成の即位パレードでは、沿道から爆竹が投げ込まれる事件が発生した。上皇さまが皇太子時代の1975年には、ご夫妻で沖縄のひめゆりの塔を訪れた際に火炎瓶が投げられたこともあった。 過去のパレードを経験した先輩から話を聞いたり、最近の要人警護の事例を共有したりして、「緊急事態の隊列変更の訓練などを重ねた」という。護衛部護衛第一課側衛官の広瀬英諭・皇宮警部補=2026年5月25日午後3時41分、皇宮警察本部、宮廻潤子撮影 即位パレード当時は若手だったが、現在は後輩を指導する立場だ。受け継がれた知識や技術が生きていると実感したといい、「貴重な経験を次の世代にも伝えたい」と話す。 ◇記念展で音楽隊が演奏披露 皇宮警察本部は創立140周年を記念して、東京都中央区の日本橋三越本店で5月27~31日まで展示会を開催している。 明治から令和までの記録写真約70点のほか、祝賀御列の儀で実際に使われた側車も展示されている。入場無料。30、31日の午前11時と午後2時からは、皇宮警察音楽隊による演奏会が予定されている。側車と儀仗服を着た護衛官=2026年5月28日午前9時58分、東京都中央区、宮廻潤子撮影皇宮警察年頭視閲式で行進する側衛車両部隊=2026年1月23日、皇居・東御苑、代表撮影皇宮警察年頭視閲式で行進する護衛馬部隊=2026年1月23日、皇居・東御苑、代表撮影春の園遊会で演奏する皇宮警察本部音楽隊=2026年4月17日、東京都港区の赤坂御苑、代表撮影皇宮警察の側車。実際に即位パレード「祝賀御列の儀」でも使用された=2026年5月28日午前9時37分、東京都中央区、宮廻潤子撮影1940年代ごろに使われていた皇宮警手部長の制服=2026年5月28日午前9時49分、東京都中央区、宮廻潤子撮影1993~2005年に使用されていた皇宮警察音楽隊の制服=2026年5月28日午前9時39分、東京都中央区、宮廻潤子撮影この記事を書いた人宮廻潤子東京社会部|宮内庁担当専門・関心分野皇室、ジェンダー、多文化共生関連トピック・ジャンル関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ5月30日 (土)日本の人口、1億2305万人海外での健康管理マニュアル完全養殖ウナギ、世界初販売5月29日 (金)警報・注意報の表現を変更皇族数の確保めぐる原案判明出産費用 自己負担ゼロへ5月28日 (木)国家情報会議の新設法が成立給付付き税額控除、大枠判明フェルメール展、大阪開催へ5月27日 (水)巨人・阿部慎之助監督が辞任ローマ教皇、AIの指針発表国内最悪の汚染 処理完了へトップニューストップページへ事故の運転手は85歳「人が集まらず」 中型バスでは駐車時に支障も5:00山口良治さん死去 伏見工高率いてラグビー日本一の「泣き虫先生」7:34高市首相の取材対応に指摘相次ぐ 木原官房長官「多忙」と弁明21:54ケネディ・センターにトランプ氏の名前を加えたのは違法 地裁が決定8:20「ウクライナはずっと背水の陣」 東野篤子教授が語る現在地と展望9:00科博館長になった「恐竜博士」 地球史から見る世界と「稼げ」の号令7:30