社会に眠る「MOTTAINAI」 解消するアイデアは?

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「MOTTAINAI」から連想することを付箋に書き、意見を交わすワークショップの参加者たち=東京都港区で2026年5月16日、桐野耕一撮影 日々の生活で「もったいない」ことをなくせば、社会が良くなる。そんな仮説を立てて、毎日新聞MOTTAINAIキャンペーン事務局は16日、「MOTTAINAI~世界を変える合言葉」と題し、東京都内でワークショップを開いた。大学生や企業関係者ら参加者が感じた「MOTTAINAI」こと、そして解消するためのアイデアとは。【桐野耕一】 今回のワークショップは、社会課題の解決を目指す企業やNPOなどが交流を深める「第5回Beyond(ビヨンド)カンファレンス2026」(15、16日)のイベントとして開催された。Advertisement カンファレンスには約220の企業・団体から延べ約500人が参加。起業家育成などに取り組むNPO法人「ETIC.」(エティック)と企業10社でつくるコンソーシアム「and Beyondカンパニー」が主催した。業界や事業規模の違いを超えた連携、協働を推進するため、22年から年に1回開催している。企業の役員やNPOの代表、大学の研究者らが登壇し、新たな取り組みについて意見交換した。 MOTTAINAIキャンペーン事務局のワークショップには約20人が参加した。冒頭、事務局側が環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞したケニアの故ワンガリ・マータイさんの提唱でキャンペーンが始まった経緯を説明。賛同する企業・団体とともに環境に配慮した商品やサービスの提供などを進め、売り上げの一部や個人からの寄付をケニアでの植林活動の支援に充てていることなども紹介した。 その後、参加者は4~5人のグループに分かれ、「社会に眠るMOTTAINAIを探そう」と、思いついたことを付箋に書いて、大きな模造紙に貼っていった。キャンペーンの協賛企業は食品ロスの削減などに取り組んでいるが、この日は「空き家」「風呂の残り湯」「廃れていく里山」「1人で乗る車」「リタイアしたベテラン人材」など、さまざまな切り口による「MOTTAINAI」ことが並んだ。「MOTTAINAIプラットフォームを」ワークショップでMOTTAINAIことをなくすアイデアについて説明する参加者ら=東京都港区で2026年5月16日、桐野耕一撮影 次に「そのMOTTAINAIは誰が、どうしたらなくせるのか」をテーマに意見を出し合った。 「空き家を1軒リフォームするのが大変なら、1部屋ごとにリフォームしてレンタルできないか」「個人単位ではどのように活用すればいいかとの話になるが、社会全体で考えると関係者が広がり、共創につながる」「MOTTAINAIと感じるものを伝えたり、その解決策を提案できるような『MOTTAINAIプラットフォーム』が存在すれば便利では」といったアイデアが生まれた。 ワークショップに参加した日本航空の東(あずま)優大さん(24)は「MOTTAINAIを意識することによって、一人一人の行動や概念が変わっていくのではと感じた」と話していた。岐阜県飛驒市で和紙振興に携わる小柳津(おやいづ)仁さん(39)は「毎日新聞にはMOTTAINAIプラットフォームをぜひ作ってほしい。プラットフォームを通じて仲間が集まれば、イベントも開催できるのでは」と期待を込めた。MOTTAINAIキャンペーンインタビューで笑顔を見せるワンガリ・マータイさん=ケニア・ナイロビで2009年7月15日、山田茂雄撮影 ノーベル平和賞を受賞したばかりのケニアのワンガリ・マータイさん(1940~2011年)が毎日新聞社の招きで05年に来日した際、「Reduce(ごみ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)に加え、地球環境に対するRespect(尊敬の念)が込められている」として「もったいない」という言葉に感銘を受けた。ニューヨークの国連本部で「MOTTAINAIを環境を守る世界の合言葉にしよう」と呼び掛け、それを受けて毎日新聞社が事務局を設置し、スタートした。環境を守る活動やマータイさんがケニアで始めた植林活動「グリーンベルト運動」への寄付のほか、崩れ落ちそうになっているマータイさんの生家を修復し、環境保護の拠点にするためのクラウドファンディングも6月末まで実施している。フリーマーケットも開催 MOTTAINAIキャンペーンでは、限りある資源を有効に使う提案の場として、東京を中心に「MOTTAINAIフリーマーケット」を週末や連休に開催している。 フリーマーケット事業を展開する「東京リサイクル運動市民の会」(東京都)がキャンペーンの趣旨に賛同し、2007年から運営。大型連休中の3~5日にも東京都中野区の中野セントラルパークで催され、3日間で延べ約900店が出店し、約2万2000人が来場した。大勢の来場者でにぎわうMOTTAINAIフリーマーケット=東京都中野区で2026年5月3日、桐野耕一撮影 ケニアでの植林活動に協力するため、出店料の中から1件につき苗木1本分の7円を寄付。古着や古本などの回収も行い、回収後に販売した利益の一部も寄付している。11年の東日本大震災後の数年間、被災地の宮城県で復興支援のチャリティーも実施した。 大型連休中に開催された中野セントラルパークの会場では、古着やアクセサリーのほか玩具、フィギュアなども販売され、手に取って喜ぶ子どもの姿も。運営に携わる赤池正行さん(52)は「通常のフリマより女性や若者の出店参加が目立ち、来場者も家族連れが多い。長年続けているので地域に浸透しているように感じる」と話す。 このほか、出店者や客を子どもに限定し、物やお金の大切さを学ぶ「MOTTAINAIキッズフリーマーケット」も都内で年4回ほど開催。作家が出店して手作りの作品に直接触れることのできる「MOTTAINAIてづくり市」も年2回実施している。