現場から2026年6月1日 16時00分永沼仁 折井茉瑚 建物が原則建てられない埼玉県川越市の土地に、イスラム教の礼拝堂(モスク)が建ち、多くの人が礼拝に訪れている。ただ、市によると、建物は無許可建築で、調査したものの建築主は不明のまま。市が建物の所有者とみている人物に撤去を求めているが、解決への道筋は見えない。敷地内から見たモスク。手前の建物は手洗い場=埼玉県川越市 登記などによると、土地の名目は山林で、広さは約4500平方メートル。市の許可がなければ建築物が建てられない「市街化調整区域」にあたる。ここに、タマネギ形のドームを備えた建物など、計4棟がある。 川越市の説明では、2024年10月、住民から「鉄骨造りの建物ができた」などと通報があり、確認したところ、建物の外観がほぼできあがっていた。無許可だったため、市では都市計画法違反だと伝えるため、建築主を調べ始めた。埼玉県川越市の市街化調整区域に立つモスク。タマネギ形のドームが見える=2026年5月7日、埼玉県川越市、永沼仁撮影 当時、土地の所有者だった同県富士見市の不動産業者に尋ねたが、「土地はすでに売ったので自分たちは関係ない。売却先は個人情報なので言わない」との回答だったという。 建具などの工事をする外国人とみられる労働者に聞いても、本体を建てた業者や発注者はわからず、市は24年12月、建築主に対して「工事中止」の貼り紙を建物に掲示する行政指導をした。 登記によると、土地は翌2025年3月、富士見市の不動産業者から、現場に住所を置く会社に所有権が移転。川越市は、この会社の代表や関係者とやり取りを続ける中で、代表を建物の現在の所有者とみなし、26年3月、5年以内の撤去を約束させる「是正計画書」を提出させた。モスクが立つ敷地の入り口にある門=埼玉県川越市 だが翌4月に建物の「開所式」が開かれ、多くの外国人らが集まった事実を把握。近隣住民から「無許可ではないのか」「住民への説明はしているのか」などの問い合わせが相次いだ。こうした状況を受け、市は5月19日、ホームページで経緯を公表した。市によると、市街化調整区域に無許可で大規模な施設が建てられるのは異例という。埼玉県川越市に立つモスクの天井はドーム状にへこんでいる。左の2階部分は女性用の礼拝スペースという=2026年5月19日、埼玉県川越市、折井茉瑚撮影埼玉県川越市に立つモスクの手前には、礼拝の前に手や足を清める建物もあった=2026年5月19日、埼玉県川越市、折井茉瑚撮影 会社代表は5月、朝日新聞の取材に対し、「建物が建てられないことを知らずに土地を買った」と説明。代表の父親と名乗り、現場に出入りする男性は「ここは我々がお祈りする場所。建物は土地を買う前に建っていて、自分たちは造っていない」と話した。 市開発指導課は「違法建築なので、少なくとも建物を使ってはならないことを理解してもらいたい。是正計画書の実行を注視する」としている。埼玉県川越市に立つモスクの壁には、メッカの方角を示すくぼみ(ミフラーブ)がつくられている=2026年5月19日、埼玉県川越市、折井茉瑚撮影不安の正体 多民社会日本で外国人が急増し、人々が不安を抱え始めているように見えます。問題が政治化するなか、外国人と共生する社会をいかにして築くのか。国内外での取材から不安の正体を探り、私たちが進むべき道を探ります。この記事を書いた人折井茉瑚さいたま総局|埼玉県警担当専門・関心分野事件・事故、犯罪被害者、在日外国人、イスラム教関連トピック・ジャンルこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月1日 (月)本州初 石川でトキの放鳥マンション高騰で戸建て人気消えゆく高校の「学食」5月31日 (日)白黒ポテチ 店頭で販売開始エアコン設置料金 値上げの波サクランボ県・山形で危機感5月30日 (土)日本の人口、1億2305万人海外での健康管理マニュアル完全養殖ウナギ、世界初販売5月29日 (金)警報・注意報の表現を変更皇族数の確保めぐる原案判明出産費用 自己負担ゼロへトップニューストップページへ就職エージェントの「オワハラ」 売り手市場、大学が注意呼びかけ6:00雇用期限ない働き手も正社員と「同一労働同一賃金」に 高裁判決確定6:00独自作詞家の橋本淳さん死去 「ブルー・ライト・ヨコハマ」13:00議員に相談した教員 勤務評価低く 校長に横浜市教委が是正指導10:30エアコンの室外機周辺に「水入りペットボトル」 思わぬ火災の原因に7:01「睡眠障害」が新しい診療科名に追加 6月から組み合わせで使用可能11:00