白い花束や編み物も 国会前のペンライトデモに集まる多様な「光」

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竹花徹朗 有元愛美子2026年6月3日 10時00分 DJが流す音楽とともにペンライトの光が、夕暮れの国会前にゆらゆらと揺れていた。白い花束を抱えた人、LEDで輝くメッセージを掲げる人、編み物で「STOP WAR」とつづった人。それぞれの表現方法で、デモの場に関わっている。国会前のデモで、メッセージを手に声を上げる参加者=2026年5月29日、竹花徹朗撮影 5月29日に開催された国会前のデモは、20~40代の市民らでつくる「WE WANT OUR FUTURE」が主催。約1万人(主催者発表)が、反戦や護憲などの声を上げた。2月の衆院選で自民党が圧勝。高市早苗首相が改憲に意欲を示したことへの危機感から始まった。20代の大学生。プラカードとペンライトを持ってデモに参加した=2026年5月29日、有元愛美子撮影 参加者には女性や若者の姿が目立つ。日々のニュースを見るたび気持ちが沈み、「部屋で1人でうつうつとしているよりは」と国会前に足を運んだ大学生の20代女性。今回が参加2回目。政治に対して自分と同じように疑問を持つ人がいたことに勇気づけられた。東京都在住の30代の女性会社員。「私たちの税がちゃんとしたところに使われていないことに憤りを感じています」=2026年5月29日、竹花徹朗撮影 若い参加者からは元々デモに対して「怖い」「過激」などの印象があるとの声を聞いた。しかし、ペンライトを掲げ、音楽が流れるスタイルがそれぞれの「最初の一歩」を軽くしたようだ。60代の事務職女性。「自分に何ができるかを考えたときに、編み物が好きだったので、9条を守ってほしい、憲法を守ってほしいというつもりで作った」=2026年5月29日、有元愛美子撮影 編み物で「STOP WAR」と書かれたメッセージを手にした60代の事務職女性は「国会前でまず感じることは、若い女性が多いこと」だという。これまでのデモは男性主体に思えたが、女性が中心になっている今回の運動に変化を感じている。 「女の人が動くと世の中が変わるんじゃないか。女性は生活や子育てをしたりということに敏感。戦争については自分や子どものことだという風に切実に感じ、敏感に反応してしまうのだと思う」と2月からデモに通い続けている。20代の大学生女性。「地元で(デモを)やろうと思うと、周りの目があったり、ひかれるのが怖いという思いもあったりする。ここに来ることで、同じように思っている人がいるのだと勇気づけられる」=2026年5月29日、有元愛美子撮影高知県から来た50代の主婦。「実際に戦争が起これば、戦わせられるのは私の子どもたちになる。それは許せない」=2026年5月29日、竹花徹朗撮影 20代の会社員女性は、「何もしなかったことになるのがいやだった」と話した。デモは無駄に終わるのではと、あきらめ交じりの気持ちもある。世間からの冷笑的な空気も感じる。しかし、白い花束だけを抱えて歩いたのは「平和を願って来ている」ことを非攻撃的なかたちで示したかったからだ。 ただ、別の緊張も漂う。ネットで攻撃の対象になることの不安から、名前を出すことに慎重な人、素顔を撮られることを避ける人は少なくない。介護職の20代の女性。「政府には私たちの持つ不安を少しでも解消して欲しい」=2026年5月29日、国会前、竹花徹朗撮影神奈川県横須賀市から訪れた50代の主婦。「政治に興味を持ち始めたのはコロナ禍以降。国会を毎日テレビで見ていたら、政治があまりにもおかしいことを学びました」=2026年5月29日、竹花徹朗撮影 見られることに慎重でありながら、それでも立つ。葛藤を抱えたまま、デモは続いている。 集まった人びとの考えは、必ずしも同じではない。軍拡への不安、生活への危機感など、ここに来た理由は少しずつ違う。それでも同じ場所に集う。 整然とした一つの意思ではなく、不安や願いを抱えた人びとが、互いを押しのけずにいられること。国会前には、多種多様な「光」が、広がっていた。国会前のデモで、沿道には多くの参加者がペンライトなどを手に声を上げていた=2026年5月29日、竹花徹朗撮影この記事を書いた人竹花徹朗映像報道部専門・関心分野写真、バスケットボール(ニューヨーク・ニックスファンです)有元愛美子映像報道部専門・関心分野写真・映像、矯正教育関連ニュース