漫画家のちばてつやさん=東京都練馬区で2023年3月11日、宮本明登撮影 10月に亡くなった漫画家のちばてつやさんへ、思想史・まんが研究を専攻する京都精華大理事長の吉村和真さんに追悼文を寄稿してもらいました。「その人柄はまさしく漫画界の良心だった」と吉村さんは悼みます。人間の陰と陽を描き出す観察眼 ここ数年、漫画業界では「巨星墜(お)つ」の訃報が続いていたが、今回は「太陽」を失ってしまったかのようだ。日本を代表する漫画家として燦然(さんぜん)と輝きながら、いつも周囲を照らしていたちばてつやの逝去に際し、近親者や同業者はもちろん、多くの読者も喪失感に包まれている。 代表作は高森朝雄原作の『あしたのジョー』だが、17歳でのデビュー以来、絶筆となった『ひねもすのたり日記』までの画業70年間に、少女漫画に少年漫画、青年向けに大人向けと、性別や世代に応じてヒット作を出した。学園ものに戦争もの、スポーツにエッセーと、題材も幅広い。Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事