一席を演じる佐々木駿介さん=東京都新宿区で2026年8月8日午後3時16分、井川加菜美撮影 今年2月、学生落語で日本一となる「策伝大賞」に輝いた早稲田大4年の佐々木駿介さん(21)は、「陽キャ」「陰キャ」の“格付け”に苦しんだ過去がある。心身の不調により高校を退学した先での出合いが、大きな一歩につながったという。【聞き手・井川加菜美】 学校に居心地の悪さを感じ、高校中退を経て早稲田大に入学した佐々木駿介さんにこれまでの経験を聞きました(全2回)。次回は9日の公開予定です 探り合いのような空気 幼少期から人と話すことが得意な方ではありませんでした。小学4年まで住んでいた和歌山県では、おとなしくても周囲は関西人らしく話しかけて仲良くしてくれました。その後、岐阜県に引っ越しましたが、思春期にさしかかる中で探り合いのような空気があり、あまりなじめませんでした。 進学した公立中学校では、「陽キャ(陽気なキャラクター)」「陰キャ(陰気なキャラクター)」のような“格付け”を明確に感じるようになりました。その雰囲気がとても苦しかった。授業で発表する際にうまく話せないと、ヒソヒソと陰口が聞こえてくることもありました。 中学2年になると、頭の中で嫌な単語や場面が浮かんでくるようになりました。それを打ち消すために、きれいな単語、きれいな場面を必死に思い浮かべる。頭の中でずっとそれが繰り返され、精神的にも疲れていました。ただ、当時は一過性のものだろうと思っていました。高校入学するもコロナで臨時休校 自分の心や頭の中で起きていることを説明する語彙(ごい)力もありませんでした。言葉にしにくく、なかなか両親には言い出せませんでした。 受験を終えて、公立高校への入学が決まりましたが、新型コロナウイルスの拡大により、臨時休校が続きました。自宅でぼーっと過ごしている方がいろいろと考えてしまい、苦しくなって「もう打ち明けよう」と両親に相談しました。 中学校の環境があまり良くないことは両親も知っていました。僕の顔色が悪いと心配していたこともあり、症状を話した時は自然と受け止めてくれたように思います。精神科にかかり、強迫性障害と診断を受けました。 高校では夏にさしかかる頃にようやく登校が始まりました。テニス部に所属していましたが、体育会系の生徒が多い中で、陰口を言われることもありました。中退を決意 2学期に入ると、周囲の視線が気になるようになりました。教室では前方の席でしたが、視線を感じてしまうのです。今にして思うと、そこまでのことではなかったのかもしれ…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】転勤族の妻から東大研究者に 元専業主婦を動かした子育ての疑問関連記事